中国の夏の風物詩と言われている北京ビキニという表現を聞いたことがあるでしょうか。「非文明的」ということでこの北京ビキニに罰金を課すというニュースが出回りましたね。ここでは、この北京ビキニとは一体何なのか、実際どうだったのか、ということについて紹介していきたいと思います。
暑くなると出現する!北京ビキニのおじさんたち
北京ビキニとは何か
北京ビキニというのは着ているシャツをまくり上げたスタイルであり、主に中年男性の習慣です。北京の夏は非常に暑く、私たちが北京に住んでいた時も6月末で40度近く気温が上がることもありました。そのため、手軽に涼しくなる手段としておじさんたちが着ているシャツを胸までまくり上げて来ていたのです。これを北京ビキニといいます。
シャツをまくり上げると言えばあまり違和感がないかもしれませんが、実際の北京ビキニはシャツを胸元までまくり上げ、ほっこり出たお腹を見せている、というファッションになります。左右対象にまくりあげられていないことも多く、どうにも中途半端なこともたくさんありました。
そして残念ながらこれは中年男性の習慣であり、若い男の子の習慣ではありません。そのため、中年男性のぼっこりお腹を見せられる事はあっても、イケメン男性の引き締まったお腹が拝見できるなんて事はありません。
なぜかシャツを脱いだりしない?
私がこのような男性を見かけたとき、いつも思うのは「なぜそこまでシャツをまくり上げるならいっそのことシャツを脱がないのか」ということでした。シャツをそこまでまくり上げる位なら、いっそシャツを脱いだ方が良いですよね。しかし、シャツを脱いで外を歩きまわっている人は見たことがありません。
その一方で、シャツをまくり上げている人はお店の中でも見かけましたし、北京ビキニの格好をして座り込み、うちわなどで仰いでいる人たちもたくさん見かけました。むしろこの北京ビキニは夏の風物詩であり、暑くなるとこのような人たちを見かけたものです。本当に「あー、夏が来た」という感じでした。
公共の場での北京ビキニが禁止に
非文明的であるという指摘が相次いだ
中国は文明的な国家を目指しています。実際に街中でも「文明的な国家になるためにゴミのポイ捨てをやめよう」などという看板を見たこともあります。そして、この北京ビキニも非文明的であるという指摘が相次ぎ、公共の場における北京ビキニが北京や天津などで禁止されるようになったのです。
確かに、北京ビキニは見た目が良いものではありません。そもそも街中でおじさんたちのぽっくりお腹は見たくないですよね。しかも中途半端にシャツがまくりあげられているわけですから、本当に「いっそ脱いだら?」と思っていらっとしてしまうことも多かったです。その一方で、実際に北京ビキニは夏の風物詩でしたから、そのような光景がなくなるのは何となく残念な気もします。
北京ビキニの撤廃に批判の声も
そんな夏の風物詩ですが、非文明的ということで罰金が課せられるようになり、それに対する反発も出ているようです。というのは、やはり北京は暑い場所ですから、お腹を出すというのは極めてエコロジーな方法ですよね。むしろエアコンを使うよりお金がかかりませんし、環境にも問題がないのです。
また、男性がお腹を見せる事が禁止されるのになぜ女性のへそ出しファッションが認められるのか、という批判もあるようです。確かに女性のへそ出しがファッションならば男性がお腹を見せて何が悪い、と言われると、なんとなく客観的に言い返せないですよね。
また、どこまで規制するかということも問題のようです。例えば公共の場ではダメだと言われても、人々が生活をしている住宅地周辺はどうなのか、同じアパートに住んでいる人たちが公園で話をしているときに北京ビキニをしていたら罰金を取られるのか、など、どこまで禁止するかということがいまだに明確にはなっていないように思います。
脱がないところにこだわりが
北京ビキニといっても、お腹を少しだけ見せる人もいれば、お腹もほっこり出している状態の人もいますし、胸まで見せている人たちもいます。その一方で左右対象にめくり上げられているわけではなく、その中途半端さにイライラしてしまうこともあります。しかし、シャツを脱がない所が何となく彼らの美徳なのかな、と思う今日この頃です。
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