日本人は効率ばかりに気を取られ感性をおろそかにしていませんか?

私はイタリア人の男性と結婚しイタリアに長く住んでいましたが、外国に行くと母国の良さ、悪さというものがよくわかりますよね。日本についてよく言われているのが、治安の良さだったり、トイレ事情の快適さなどだと思います。今回は私がイタリアに住んでみて、そしてイタリア社会に飛び込んで見えてきた、日本の良いところ、悪いところを紹介します。

良いところ①職業選択が自由

イタリアでは中学の時点である程度の将来の選択を絞り、高校で方向性を確定し、大学で専門性の決定を下します。そこまでは日本と同じのように見えますが、そのカテゴリー分けが非常にシビアです。例えば、どんなにレベルの高い大学を出ていようが、工学部を卒業した人が会社の事務をやるということがあり得ないのです。それは工学部を卒業した人が事務を選ばないという話ではなくて、会社側は事務の能力がないと判断するので、採用することがないということなのです。

 文学部のプログラマー!?

そういった面では、日本の場合は例え音大を出ていようが、文学部を出ていようが、営業や経理の仕事はもちろんのこと、プログラマーにもなることができます。職業の選択の自由が社会で認められているということは、私達日本人にとってかなりの利点だと思います。

 問題解決が早い

またこのことは、いろいろな分野から来た人達によって様々な物の見方ができるというメリットもあり、問題の解決が早かったり、発想の転換を変えたりといろいろな利点があると感じました。
1つのレールにしか乗ってきていない集団(イタリア企業の各部署)は、考え方も一辺倒になりがちなのです。イタリアで仕事をしていて感じたのは、イタリア人は専門分野においてはある程度の知識があるという利点はあるのですが、部署をまたいだチームで仕事をすると堂々巡りが多く、なかなか問題が解決しないということです。

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良いところ②頭が柔らかい

いつも日本について感心してしまうのですが、ツール(道具)の使い方など驚くような上手い使い方をする人が多くいます。これも日本の特徴だと思います。例えば、100均のツールを使って本来の使い方とは違う形で小物を作ったり、ゲームのツールとして無料通話のスカイプを使ったり、とその発想の転換にはいつも驚かされます。
またそのような創意工夫を奨励する文化があるというのは、私はいいことだと思います。

 歴史をおもんじる欧州

欧州(特に歴史があるイタリア!?)では、歴史を重んじるばかりに、考え方が窮屈なところもあると時おり感じます。ツールの使い方に関してもですが、基本的には創意工夫はなく、説明書通りに使いますので、なんかつまらなく感じてしまうときがあります。

悪いところ①効率ばかり

日本は効率を求めるばかりに、美であったり、感性をないがしろにしがちなところは残念に思います。例えば、住宅などは一辺倒な造りで個性がなかったり、せっかくの高級食材がプラスチックの容器に入っていたり、なんだかさびしいです。日本にいるとそれほど気にならないのですが、いざイタリアにお土産として持っていこうとすると、その味気無さに恥ずかしくなってしまうこともありました。

 目的がなければ動かない!?

もちろんそうやってコストを下げることも企業努力だとは思うのですが、残念だなと思うことも多いです。その効率を求めすぎる文化は、時間の過ごし方を下手にしているのではないかと思うのです。
イタリアに限らず外国では、人が集まる広場があって、何もせずにただ会話を楽しむ場所などがどこにでも見られましたが、日本ではそういった場所がないと思いませんか?
日本は目的がなければ外に出ないような生活リズムになっているな・・と感じるこの頃です。

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悪いところ②コミュニケーションが下手

 

もともと恥じらいの文化を持つ日本と言えば聞こえが良いのですが、日本に帰って一番感じるのはコミュニケーションがとても下手であることです。そして効率重視文化と合わさって、更に下手にしているような気がします。

 サービスって何?

飲食店の接客など、提供することだけに囚われてしまっていますよね。イタリア人夫に「日本の飲食店は食事を楽しんでもらおうというサービスはないよね」と言われた時、文化の違いとは言え、なるほどなと思ったものでした。

 イタリアのサービス

例えばイタリアだと、観光客だと明らかに分かれば(コミュニケーションが取れると判断したことが前提ですが)
「どちらからいらっしゃったの?今日は景色が綺麗に見えるから外の席はどうですか?」
となります。もちろん「日焼けが嫌だから屋内の席がいいわ」と言ったところで気を悪くする訳ではありません。ただ、その一言が私達により良い時間を提供したいという思いが伝わって、ずっと食事が楽しくなるんですよね。
日本では食事だけ済ませて早く帰りたい人もいらっしゃいますし、そこは文化の違いですから何とも難しいところだとは思いますが…

 想像で決めてしまう

また、コミュニケーションをとる前に想像で物事を進めてしまうのも日本人の悪いところだと強く感じます。
まだ今の夫と遠距離恋愛中に夫が日本に遊びに来た時、和食レストランで食事をオーダーしたところ、彼だけにフォークをスッと用意したのです。もちろん、日本的には外国人への配慮としてのサービスであることは重々承知なのですが、こういったサービスは日本を楽しみに来ている外国人にとっては排他的文化に受け取られてしまいますし、日本文化に触れるチャンスを勝手に奪っているんですよね!

 無言の気遣い

もちろんその時は、箸をください、と店員にお願いしたのですが、その店員はせっかく気を遣ったのに!という態度でした。私は二重に恥ずかしい気持ちと、がっかりした気持ちが重なったことを今でも忘れません。彼は日本への旅行を楽しみに、イタリアで箸の使い方を練習していざ披露!という気持ちだったのに、その気持ちを折られてしまったのです。
ここは「フォークをお持ちしますか?」の一言の方が、ずっと配慮を感じます。無言の気遣いは、時に良し悪しがあるということ頭に置いておきたいと思います。

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自分の成長につなげよう!

外国に触れると、母国を誇りに思ったり、幻滅したりとそれまで思ってもいなかったことを目の前にドンっと突き付けられることが多々あります。
その度に、いろいろと感じることがあり、心が折れそうになることもあるのですが、自分の成長と思って上手に付き合っていきたいなという風に思っています。

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