キューバの魅力は街に独自の景色があるところです。私は20ヵ国以上を訪問し、世界を周遊しているのですが、各国の都市に集まるお店はどこも似たり寄ったりで、ショッピングエリアはどの国もそっくりなことに気付きます。例えば、どこに行ってもマクドナルドや、スターバックス、また、トヨタやホンダの車が走っています。
しかし、キューバはそうではありません。アメリカナイズされていないので、世界展開のグローバルブランドが見当たらないのです。そんな未開拓な国キューバの見どころをご紹介したいと思います。
観光名所が多いハバナの旧市街
キューバの首都ハバナでの観光名所は旧市街に集まっています。古くて雰囲気のある建築物が建ち並び、その合間をクラシックカーが走る光景は、イメージ通りのキューバで、映画のセットのなかにいるような不思議な気持ちになります。レストランからはキューバの音楽が流れ、サルサを躍る人たちもいて、異国情緒を味わえます。
図々しいけど、強欲ではない!?
街を歩くと、葉巻や土産物を売るキューバ人が声を掛けてきます。頼んでもいないのに、名所を案内しようとする人までいます。彼らの目的はチップで、親切の押し売りながらも、フレンドリーに接してくれるので、こちらも思わず「ありがとう」と謝礼を渡してしまいます。一度、彼らの内のひとりに観光の計画を相談してみたのですが、意外に親身になって考えてくれ、近くのキューバ人に聞いたりと、可能性を探ってくれました。そのお礼として、モヒート(カクテル)をご馳走するととても喜んでくれました。図々しいところもあるけれど、強欲ではないのが、観光地にいるキューバ人の印象です。ただ、街で声を掛けてる人の中には、危ない人もいるので、十分に注意が必要です。
自転車タクシーが便利
旧市街の観光には自転車タクシーを利用しました。時間制であちこちを見せて欲しいと頼み、ときどき果物を買ったりしながら、名所を巡りました。
静かで整然としたハバナの新市街
観光地化された旧市街とは違い、新市街はガランとした雰囲気でした。コンクリートで固められた広い革命広場が無機質な空間を作り、革命広場を囲む政府機関のビル群も、飾り気がなくシンプルな作りで寂しく感じられました。
巨大なレゴ!?
ビルの壁面にはチェ・ゲバラなどのキューバの英雄がワイヤーで描かれており、観光客が互いに写真を撮り合っていました。なにか面白いものはないかと、ココタクシーというコロッとした丸いフォルムの三輪タクシーに乗って、少し街を観光しましたが、住宅地があるばかりでほかに見るものはなさそうでした。日本やほかの国には見られる商品広告の看板がなく、殺風景に感じるとともに、巨大なレゴブロックの街に迷い込んだような、何とも言えない気分になりました。
キューバ人の暮らし
キューバでの宿泊は民宿が基本です。わたしもキューバ国民の家の一部屋を借りて泊まっていました。わたしが宿泊した場所はハバナ旧市街からバスで約10分のところにある住宅団地でした。
2つの通貨
キューバでは、主に観光客が使うCUCと、主に国民が使うCUPという二種類の通貨が存在するのですが、宿泊先周辺はCUPだけで生活できるところでした。その為、両替所でCUCからCUPに替えてもらってから、近所にある小さなマーケットでマフィンやビスケットを買って食べたり、ジュース屋さんで喉を潤したりしました。
トイレットペーパーは常に持参
トイレットペーパーなどの日用品は、お店の窓から欲しい商品を伝えて購入するシステムでした。一般的に民宿やレストランのトイレにはトイレットペーパーが設置されていないので、自分で購入し、常に持参する必要がありました。
民宿のホストはとても親切で、いつも一緒にいてくれました。夜になると、近くのお店でビールを買い、ベンチに座って飲んだり、リビングルームでサルサを躍ったりと、楽しい想い出をいっぱい作ってくれました。
キューバのバス
ローカルバスはいつも混んでいます。運賃は前払いで一律40セントCUPです。ローカルの人も1CUPコインや50セントCUPコインで支払って、お釣りは受け取らない人が多かったです。
ローカルバスはめちゃめちゃ混む!
バスの混み具合はときに異常で、バス停で待つものの、来るバスは全て超満員で乗れないということもありました。頻繁にバスは来るので、「次のバスに乗ろう」と、何度も見送ったのちに、なんとか少しましな乗客数のバスを見つけて、体をねじ込むように乗車するなんてこともありました。
観光客用バスは高級
ハバナからトリニダに向かうとき、長距離バスを利用しました。観光客用の立派な観光バスです。座席もふかふかで快適でした。
トリニダへの道中は、道路脇にある政治的な看板を見たり、壮大な草原を眺めたりしてすごしました。そんな中、人々が道路に向かって並び、わたしが乗っているバスに向かって声をかけている様子を何度も見かけました。彼らは手に札束を持っています。どうもお金はあるけれどバスのチケットが買えないという状況のようです。この多さを見ると、慢性的な交通手段不足か、人々の移動を制限しているのではないかと感じずにはいられませんでした。
アメリカとの国交回復の影響はいかに!?
キューバへの旅は、都市の光景、スペイン式コロニアル建築物、そしてカリブ海の美しいビーチなど、刺激を受けることだらけでした。
アメリカとの国交が回復したので、キューバにもお馴染みのチェーン店が姿を現す日が近いかもしれません。変わって欲しくないという思いもありつつも、少しずつ変化する街を見に何度でも訪れたいという楽しみもできました。
コメントを残す