最近、アメリカの某航空会社の暴行事件が話題になりましたが、航空会社には様々な問題があると感じています。ここでは、私がアメリカの某航空会社で経験したショッキングな出来事を紹介したいと思います。
離陸の遅延による乗り継ぎ便の問題
この時、私はアメリカ西海岸カリフォルニアのサンフランシスコから、コロラドのデンバーを経て、アメリカ東海岸、メリーランドのボルティモアに行く予定でした。デンバーでの乗り継ぎ時間は30分しかなかったために不安もあったのですが、どうやらその航空会社のデンバーでの乗り継ぎ時間は30分強が当たり前のようだったので、あまり気にしていませんでした。
しかし、サンフランシスコ発の飛行機の到着が30分近く遅れ、明らかにデンバーでの乗り継ぎに影響が出てくる状態が懸念されました。他の乗客も、デンバーでの乗り継ぎ時間は同じく30分前後だったようで、サンフランシスコでは、皆がイライラしている様子がわかりました。結局、サンフランシスコ発の飛行機は本来の時間より30分遅れで離陸したのです。
デンバーに30分遅れで到着
デンバーに着陸した時は、シートベルト着用サインが消える前から乗客が皆立ち上がり、荷物をまとめて飛行機から降りる準備を始めました。飛行機から降りる前にアナウンスがあり、「乗り継ぎ便がある人は、客室乗務員を呼ぶボタンを押してください(客室乗務員を呼ぶボタンを押すと、頭上の電気が点灯します)。そのお客様は優先的に飛行機から降りて下さい」と言われました。
しかし、ほとんどの乗客が乗り継ぎを必要としていたようで、皆がものすごい勢いで飛行機を降りていったことを覚えています。そのまま出発ゲートを確認し、走っていきました。
「サービスカウンターに並んでください」
私以外には4人の乗客が、同じくボルティモア行きの飛行機に乗る予定でした。私たち5人がほぼ同時に出発ゲートに着いた時、目の前にある飛行機の扉が閉まり、「私たちはもう扉を閉めたから、あなたたちは乗れません。サービスカウンターに並んでください」と言われたのです。
口々に「お宅の航空会社の便が30分遅れたから自分たちは遅れたのに、目の前にある飛行機の扉を開けてくれないのか」と叫びましたが、「もう離陸する時間ですから」と言われるだけで、目の前に飛行機があるにもかかわらず、何も対応はしてもらえませんでした。
振り返って見たサービスカウンターには案の定、乗り継ぎ便を逃した人による長蛇の列ができており、並んでからサービスカウンターの人と話ができるまで、1時間以上かかりそうだと言うことが容易に想像できました。
翌日の便を予約
ボルティモアの空港では彼が待っていてくれる予定でしたので、何とか彼に飛行機に乗れなかったことを連絡しなければいけないと思っていました。しかし、Wi-Fiも通じず(空港は大抵無料Wi-Fiがあるのですが、デンバーでは接続方法が複雑で、私自身冷静に対応している余裕がありませんでした)、電話ももちろんありません。長蛇の列を考えれば、列から離れて公衆電話に行くことも出来ませんでした。ちょうど前にいた、同じくボルティモア行きの便を逃した男性に携帯電話を貸してほしいとお願いして電話をかけさせてもらったことを覚えています。
周りに並んでいた乗客は航空会社などに電話をし、新しい航空券の予約をしようとしていました。実はその時はクリスマスの直前だったため、どの飛行機も満員に近く、飛行機の空席が見つからないという状況が見て取れました。皆がイライラしていました。
空港を変更し、翌日の便を予約
彼には「(私が到着する予定だった)ボルティモア・ワシントン空港行きの飛行機がなければ、少し距離が離れるけれど規模の大きなワシントン・ダレス国際空港か、ロナルド・レーガン国際空港でもいいから、とにかく1番早くの便で来るように」と言われていました。予約サービスカウンターの人と話ができたときには、列に並び始めてから、1時間半ほど経過していたと思います。案の定、ボルティモア行きの飛行機よりもダレス行きの飛行機のほうが好都合だったため、翌日午前中発のダレス行きの飛行機を予約しました。
ホテルに宿泊
その日の夜は、空港と提携しているホテルに一泊しました。宿泊券と食券代わりのクーポンを渡され、空港からシャトルバスでホテルに向かいました。タオル以外にアメニティーのないホテルです。スーツケースは預けたままとなっているので手もとになく、シャンプーがないから髪の毛も洗えず、石鹸がないから身体も洗えず、クレンジングがないから化粧も落とせず、という状態でした。
デンバーに来る前、私は数日間カリフォルニアに滞在していました。カリフォルニアと言えば日本の冬よりも温かいところですから、雪が降るデンバーはとても寒く、本当につらかったです。暖房もほとんど効かなかったため、暖房の設定温度を最大限に上げ、ダウンを毛布の上からかぶって1時間ほど寝ました。
食券代わりのクーポンは使えたはずなのですが、ホテルでは高そうなレストランしか見当たらなくて使い方がよくわからず、ホテルに到着した時点ですでに夜の1時を回っていたこともあり、誰かに聞く元気もなく、結局何も食べずに朝を迎えました。
私はまだラッキーだった
朝は、8時ごろのシャトルバスでデンバーの空港に戻る予定でしたが、部屋にいてもやることがなかったため、7時ごろにロビーに行きました。大きなクリスマスツリーや炎の上がる暖炉がとても綺麗でした。その時に横に座っていた女性と話す機会があり、彼女も前日、乗り継ぎ便を逃して一晩ホテルに泊まったという話を聞きました。
そして彼女に、「でも私たちはラッキーよ。中には代わりの飛行機が見つからなくて、3日間もこのホテルに泊まらなければならない人もいるの。その人たちは、(スーツケースがなくて)洋服がないから、これからウォルマートに買いに行くんですって」と言われました。確かに、新しい航空券が取れない人が何人かいたなぁと思いながら、私はまだラッキーだったと実感しました。
ダレス空港への到着とスーツケース
スーツケースがない
そのままデンバーの空港に向かい、朝食を食べながら飛行機を待ち、午後には無事にダレス空港に到着しました。しかし、スーツケースがないということに気づきました。前日のサービスカウンターでスーツケースがどうなるのかと聞いたところ、「あなたのスーツケースは、明日あなたが乗る便に必ず乗せてあげるから安心して」と言われたのですが、どうやら乗せてもらえなかったようです。
スタッフに調べてもらったところ、「あなたのスーツケースなら、昨日ボルティモア空港に着いたわよ」と言われました。「確かにこの便に乗せると言われたのに」と言い返しても、「私が言ったんじゃないわ!」と言われました。しかも、それに対する誠意ある対応はなく、「自分で取りに行って」と言われました。彼が散々食ってかかったのですが「私たちが取り寄せてもいいけど、あなたたちが自分で行った方が早いでしょ」と、ある意味正論を言われて終わりました。
ボルティモアでスーツケースを受け取る
そのままボルティモア空港のサービスカウンターに行ったところ、受取人のないスーツケースがたくさん並べられ、紐で繋がれていました。私のスーツケースもそこにあり、「問い合わせなし」といった紙が貼られていました。問い合わせがあるもないも、そもそもこのスーツケースがここにあること自体がおかしいのに、まるで誰にも引き取ってもらえなかったスーツケースであるかのように扱われていたのがちょっと寂しかったです。
係りの人に「あれ、私のスーツケースなんだけど」と話したら、「あ、持っていっていいよ」と言われ、何かに署名することも身分証明書を見せることもなく終わりました。本当に最後の最後まで、雑な航空会社だと思いました。
遅延の問題に対して日本はどう対応するのか
今回の飛行機の遅延による乗り継ぎ便の問題は常に生じる問題だと思います。これに対して、日本の航空会社はどのように対応しているのかと言うことを経験する機会がありました。
実は、アメリカから日本に帰る時、数日前から大雪でした。私はボルティモアからニュージャージー州ニューアークで乗り継ぎ、日本に帰る予定でした。しかし、その大雪のせいでニューアークでの便が2時間遅れたのです。日本でも成田空港で乗り継ぎをしなければならなかったのですが、実は日本での乗り継ぎ時間は1時間半しかなく、時間だけ考えると乗り継ぎは絶望的でした。とは言え、日本に戻りさえすればなんとかなると思い、いざ成田空港に着いた際に係りの人に事情を話したところ、「今回は大雪により多くの飛行機が遅延しており、乗り継ぎ便に影響が出るお客様が多いため、乗り継ぎのお客様がいらっしゃる便はすべて遅らせてあります。そのため心配はいりません」と言われました。神!と思いました。
アメリカの航空会社が悪名高い一方で、日本の航空会社は世界的にも評価が高いですが、本当に一度の旅で両方の対応を経験し、地獄と天国を見た気がしました。
今まで様々な航空会社の飛行機に乗ってきましたし、いろいろ腹の立つことも経験しましたが、このアメリカの某航空会社だけは未だにできるだけ避けたい航空会社ナンバーワンです。
乗り継ぎ時間は余裕を持って!
このアクシデント以降は、少なくとも海外での乗り継ぎ時間は、最低1時間は取るべきだということを学びました。現実的ではない乗り継ぎ時間の航空券は売られているはずがないのですが、やはり航空会社の対応にも問題があります。最低1時間、慣れない空港や大きな空港ならば、3時間ほど余裕を持っておいても良いと思います。
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