グローバル化が進み、外国人と結婚するという人も増えてきましたね。外国人と結婚して海外に暮らすという人もいれば、日本に暮らすという人もいます。しかし、外国人と結婚して日本に暮らすためには、相手のビザを取得しなければいけません。ここでは、国際結婚の永住権とビザについてお話しします。
結婚とビザの問題は違う
結婚したからといって相手の国で暮らせるわけではない
一般的には、「入籍したら一緒に生活できる」というイメージがあるのではないでしょうか。しかしながら、国際結婚の場合はそうではありません。いくら外国人同士が結婚したとしても、2人が一緒に生活するためには少なからずどちらかが海外で生活をすることになります。そのため、その人は海外で暮らすためのビザを申請しなければいけなくなるのです。
日本で生活する場合も同様です。もしも外国人と結婚して日本で生活するためには、その外国人は日本で暮らすための配偶者ビザや永住者ビザ、あるいは定住者ビザを取得しなければいけません。これを取得しなければ、いくら入籍したとしても日本で生活することができないのです。
ちなみに私も国際結婚をしています。今は私の出身国でも夫の出身国でもない所で生活しているため、家族揃ってビザを取得しています。
ビザと国籍の問題も違う
夫と結婚するとなった時、周りからやたら「国籍も変わるのか」と聞かれたことがあります。実際に、「国際結婚したら無条件で相手の国に住むことができ、無条件で国籍も相手の国の国籍が取得できる」などと勘違いしている人は少なくありません。
しかし先ほど述べた通り、国際結婚をしたからといって相手の国に無条件で生活できるわけではありませんし、もちろん国籍が取得できるわけでもありません。血統主義、出生地主義など、世界には様々な国籍取得のルールがありますが、外国籍を取得するためには基本的にその国の国籍を持つ両親のもとに生まれるなり、その国で生まれるなりしなければいけません。ただ外国人と結婚しただけで外国籍の取得ができないのです。
日本人と結婚した場合のビザの種類
配偶者ビザ
日本人と結婚した場合の外国人が取得できるビザには、配偶者ビザ、永住者ビザ、定住者ビザの3種類があります。
配偶者ビザというのは、日本人と結婚した人が真っ先に申請するべきビザですが、日本人と結婚したからといって自動的に許可されるものではありません。多くの必要書類を揃えて、交際歴や安定した収入に関する資料を添付し、入国管理局に行って申請しなければいけないのです。
もともと日本に留学していたり日本で働いていたり、あるいは以前日本人と結婚していて配偶者ビザの期間が残っているなどという場合は在留資格の変更をするだけですから、日本国内で手続きが完了します。
外国に住んでいる人が日本人と結婚し、日本で生活を始める場合はまず日本に来て、日本国内の入国管理局で在留資格認定証明書を申請し、それを持って本国にある日本国大使館でビザの申請を行います。そのため、いちど来日しなければいけません
永住者ビザ
結婚してから3年以上経っており、直近1年以上日本で生活していれば、永住者ビザを申請することが可能です。例えば、結婚して3年間海外に住んでおり、日本に帰ってきたからといってすぐに申請できるものではありません。
配偶者ビザの場合は1年や3年、5年ごとに更新が必要ですが、永住者ビザはその更新をする必要がありません。日本人と同じように学校に通い、就職や転職にも有利になります。ローンなどの融資も受けやすくなりますし、万が一日本人と離婚をしたとしても、その後も日本で生活することができるのです。
定住者ビザ
定住者ビザというのは、「法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して定住を認める者」と定められています。具体的には、3世までの日系人、日本人と結婚した外国人の連れ子、日本人と離婚した外国人が離婚後も日本に住む場合に定住権の申請が可能です。
3つのビザの中で、定住者ビザは様々なケースがあるため、申請が最も複雑であると言われています。そのため、もしも定住者ビザの申請を考えるのであれば、経験者の話を聞くのではなく、役所や行政書士等の事務所に相談したほうが確実です。
永住者ビザを取得するための要件
日本に住んでいる年数
永住者ビザを取得するためには、何年日本に住んでいるかということが大切です。例えば、日本人と結婚して配偶者ビザを取得し、日本で生活している場合、先ほど述べた通り3年以上婚姻関係にあり、直近1年以上は日本で生活していなければいけません。
また、もしも日本人と結婚した後、定住者ビザで日本に住んでいる場合は5年以上日本に共有していることが大切です。それ以外の場合は10年以上日本に住んでいなければ永住者ビザを申請することができません。
安定収入があること
生活をしていくためには安定収入が大切です。永住者ビザを申請したいという本人に安定収入がなかったとしても、その人を支える配偶者に安定収入があったり、同居する親に安定収入があったりする場合は永住権を取得できる確率が上がります。
必要に応じて専門家の助けを得よう
ビザの申請というのは本当にケースバイケースですから、雛形がないという問題があります。日本人と結婚した人がビザを取得する際にも、例えばその時ちょうど無職になってしまったらどうするのか、年齢差が離れていたらどうするのか、結婚して今まで違う国に住んでいたらどうするのか、など、本当に人によって必要な書類が異なってくるのです。
ですから、必要に応じて行政書士に相談するなど、専門家の力を借りることも大切です。特に結婚相談所で知り合った場合、外国人配偶者が過去に日本人と離婚している場合、あるいは年齢差が15歳以上ある場合などは専門家に任せた方が安心だといわれているのです。
何も、専門家に任せれば書類作成や申請など、時間もコストもかかることをすべてやってもらえるという利点があります。入国管理局に何度も足を運ぶ必要もありませんし、最初から自分のケースを相談しておけば、どのような書類が必要になる可能性があるのか教えてもらえますから、ビザ取得までに時間がかかる心配もありません。また、仕事などで忙しくなかなか必要書類などを調べる時間がないなどの場合であっても、行政書士に任せれば安心です。
自分でいろいろ調べることも大切ですが、ビザの取得は複雑なものですから、必要に応じて専門家の力を借りるという選択肢を考慮することも1つなのではないでしょうか。
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