海外の文化に接する機会が増え、外国人が身近になった現代では、国境を越えた恋に落ちるのは珍しいことではありません。かくいう私も、15年ほど前にインドネシア人と恋に落ちて結婚までしてしまった一人です。携帯電話はありましたが、SNSなどはなかった時代です。現在国際恋愛中のカップルとは全く状況が違っていて参考にはならにかもしれませんが、この記事ではインドネシア人との恋愛とはどういう感じであるのかを書いてみたいと思います。
出会いは大学主催のイベント
私の恋の相手は、ジャワ島の学生都市に留学している時に出会った素朴な貧乏学生でした。キャンパスのたくさんあるその町では、大学の枠を超えた学生同士の交流が盛んに行われており、ある大学が主催したイベントにゲストとして呼ばれた際に、スタッフをしていたのが彼でした。スタッフ皆と仲良くなって、いろいろな所に出かけたり合宿をしたりする中で、はっきり言ってカッコ良くも目立つタイプでもない彼ですが、いろいろ親切にしてもらったなぁ、ということを思い出します。インドネシア語と英語で一生けん命コミュニケーションを取って、インドネシアについてわからないこと、ギモンに感じていることなどを質問したりして、少しずつ仲良くなりました。
付き合うきっかけになったのは大通りを渡る時
インドネシアでは横断歩道がほとんどないので、道を渡る際はビュンビュン飛ばす車やバイクの間をすり抜けてヒョイヒョイと渡らなければならず、慣れてタイミングを掴むまでは非常に恐ろしい思いをします。そこを渡る時、ビビッて立ちすくんでる私の手をさりげなく握って誘導してくれた時に、すごく頼もしく感じました。とは言っても、日本で男女が手を握り合う行為とは少し違って、例えば道を渡れなくて困っているおばあさんやおばさんの手を若者がサッと引いてあげて通りを渡るのは、インドネシアでは当たり前のことなんです。なので、特別感はまるでなく、ごく自然に手をさしのべてくれる優しさに惹かれたのが最初でした。
メールもなければ電話代も高い
付き合うようになっても、今と違ってLINEやメールはなく、かろうじてあったSMSと呼ばれるショートメールサービスも、文字数に制限があり送信料も1回350ルピアで、10回のやりとりで1回分の食費に相当する額がかかってしまうということもあり、そうそう頻繁にはできませんでした。今でこそ、そこら中にショッピングモールができていますが、当時は娯楽施設もほとんどなく、デートといえばバイクに2人乗りしてひたすら走り回るか、バイクがないカップルは会ってひたすら語り合うかでした。もちろん後者だった私達。しかも、女子寮は門限8時が一般的でした。
不便だからこそ愛が深まる!?
どんなに楽しい時間を過ごしても、8時にはバイバイしなければならず、しかも別れた後は通話料金の関係で短いメッセージを送り合うことしかできないという環境が、自由に恋愛し、時間を気にせずに会えた日本とは大きく違っていました。学生街で、大学生同士の素朴なお付き合いからスタートし、会える時間やコミュニケーション方法が限られていたからこそ、一生懸命になって、どうにかしてもっと一緒にいたいという気持ちが募って成り立っていた恋愛だったと思います。
もどかしさこそ醍醐味!
インドネシア人が相手の場合に限らず、外国人との恋愛では、感情的にケンカをしようにもなかなか思っていることが伝わらず、結局はただ不機嫌に黙るしかない、というストレスもあります。でもやはり、そのもどかしさも含め、国際恋愛の醍醐味なのかもしれません。語学もめきめき上達するし、相手の国の文化や宗教を一生懸命理解しようとするので、自分が一回り大きくなれると思います。
インドネシア男性は多様性を受け入れてくれる
インドネシア人の男性は、基本的に優しいですし、女性を大事に扱ってくれます。日本人男性よりも、ストレートに感情表現をしたり、ロマンチックなセリフを吐くことも多いような気がします。つまりは、女性を喜ばせるのが上手です。なので、相手が何を考えているか分からない、気持ちが通じ合いにくい、という悩みはあまり発生しないと思います。むしろ、口下手だったり自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手な女性も、インドネシア人男性が相手だと、素直になりやすいかもしれません。また、インドネシアには多数の民族や宗教があり、それらの多様性の中で生きているので、考え方の違い、習慣の違いを尊重して、衝突なしでうまく受け入れるのがインドネシア人はとても上手です。
私の周囲のインドネシア人と日本人のカップルも、個性の違う二人が補い合って、うまくいっている人たちが多いですよ。外国人と恋愛したい人、インドネシアに興味がある人などに、参考にしてもらえるとうれしく思います。
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