イタリア人シェフと結婚した主婦がおくるイタリアの「食」シリーズ②~朝食と離乳食

食材の豊富さについてはさることながら、食に関する関心の高さや食習慣も日本とは違うことが多いのがイタリアです。
本日はイタリアの朝食と離乳食について紹介します。

甘いモノばかりの朝食

イタリアに来て驚いたことの1つとして、「イタリア人は甘いもの大好き」ということです。それが顕著にあらわれるのが、イタリア流の朝食です。

 朝は甘いコーヒーから

西洋の朝食といえば、一般的に卵料理にソーセージやベーコン、パンという組み合わせをイメージする人も多いのではないかと思います。実は、これらは主にアメリカや英国のスタイルです。
イタリア人は違います。朝から、肉、野菜、たまご等、しょっぱいものを口にすることはほとんどありません。朝は、甘いものを食べ、血糖値をあげるのが一般的なスタイルです。
イタリアの朝は1杯のコーヒーから始まります。砂糖をたっぷり入れたエスプレッソやカプチーノと一緒に甘いものを食べるのです。

 日本のおやつを朝から食べる

クリームやチョコレートの入ったクロワッサン系のものから、伝統的なものではイタリアのお母さんは誰でも作れるといわれる、クロスタータと呼ばれるジャムのタルトのようなものも食べます。他には、ビスコッティやクッキー等をミルクやコーヒーに浸して食べることもあるのです。日本でおやつ感覚で食べているものがイタリアの朝食です。

そんな軽い朝食という習慣もあってかイタリア人はランチタイムをゆっくり取ります。2、3時間お昼休憩があって、いったん自宅に帰宅して家族とお昼を食べるという人たちも大勢います。

 日本旅館の朝食は豪華すぎ!?

そんなイタリア人にとって、日本の旅館などの素晴らしい和の朝食は、「朝からディナーを食べるなんて日本人はすごい」と感じるようで、私のイタリア人の夫は心の底から驚いていました。

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離乳食からイタリアン!

私は1人目の子供をイタリアで、2人目を日本で出産しましたが、イタリアと日本では離乳食に対する考え方が大きく異なっていました。

 日本の離乳食

日本では5ヵ月または6ヵ月頃から離乳食を始めます。最初は1さじの10倍粥からで、慣れてきたら2さじ、3さじと増やして次に1種類ずつ野菜のすりつぶし、その後に豆腐や白身魚という順序だったと思います。
7、8ヵ月の離乳食中期になってから鶏肉や赤身魚、9ヶ月や11ヵ月になってから牛肉や豚肉を食べさせるよう教えられました。

 イタリアの離乳食

一方、イタリアでは4ヵ月からフルーツをすりつぶしたペースト状にしたものを食べさせ始めます。最初は、りんご、洋ナシ、バナナです。離乳食用のフルーツペーストが小瓶で販売されていて、小児科の先生からも市販品を食べさせるよう勧められます。理由はイタリアの市販離乳食は安全基準が非常に厳しく、フルーツペーストも完全無農薬で安心して与えられるものだからです。普通の大人用のフルーツには農薬が使われている可能性があるため、フルーツであっても必ず赤ちゃん用の離乳食を食べさせるよう徹底しています。
そして5ヵ月になると、スープを与えます。ズッキーニ、人参、ジャガイモ、葉物野菜(特にビエタという小松菜に似たイタリア野菜が推奨されています)を水で時間をかけて煮だし、スープに加えます。日本のではお粥が基本でしたが、イタリアではこのスープが離乳食の基本となります。

 オリーブオイルとチーズ

最初は、具なしのスープだけを食べさせるのですが、ここで驚くのがオリーブオイルとチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)を入れることです。初めての離乳食から入れました。イタリアの離乳食では、オリーブオイルとチーズをふんだんに使います。
日本もイタリアも離乳食には塩を使いませんが、このオリーブオイルとチーズの自然の塩気により、大人でも食欲をそそられる香りただよいます。
チーズは最低24ヵ月熟成のものを使用するよう言われ、小さじ1杯で赤ちゃんに必要な1日分のカルシウムとポリフェノールが取れるようです。
オリーブオイルも赤ちゃん用のエクストラバージンオリーブオイルが市販されており、癖がなく100パーセントオーガニックのオリーブオイルです。

 半年たてばパスタも食べる!

具なしスープに慣れたら、一緒に煮た野菜を裏ごししてスープと混ぜたものを食べさせます。1種類ずつ慎重に食べさせる日本と違い、イタリアは最初から野菜をミックスして与えるのです。
更に、6ヵ月目からは、パスタやお米を野菜スープと一緒に調理をして食べさせます。パスタやお米も離乳食が市販されています。星やハート形の可愛いパスタや、赤ちゃん用の米粉もあります。

 豊富な肉の種類

そして、パスタやお米を食らべれるようになったら、肉のペーストを加えていきます。日本では魚を食べさせた後に、肉となりますが、イタリアでは肉を食べさせた後に魚となります。
ペースト状の肉や魚が瓶詰が市販されているのでとても便利です。
ちなみに、肉の離乳食には牛、豚、鶏のほかに仔羊、子牛、ウサギや馬肉と種類が豊富です。また、塩抜きの生ハムペーストなどもあります。離乳食からしっかりイタリアンなのです。これらのペースト類はそのまま調理せずにも食べることができます。余談ですが、イタリアの航空会社を利用した際に赤ちゃん連れで離乳食を頼むと、この瓶詰がそのまま渡されることがありました。

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まとめ

国が違えば、朝食のスタイルや、また、離乳食の進め方も全く違うので、とても興味深いです。私の感覚ですが、朝食や離乳食といったメインのディナーやランチでない部分にこそ、国の個性が出るのではないかと感じました。

 大人でもイタリアの離乳食はおいしい

ちなみに我が家は日本とイタリア半々で離乳食をしてきましたが、初期はイタリアの離乳食のほうが赤ちゃんの食いつきが良かった気がします。また、大人が味見して美味しいのもイタリアの離乳食だと思います。
赤ちゃんが離乳食を食べてくれないと悩んでいるお母さん、機会があればイタリア式の離乳食を試してみるのも良いかもしれませんね。もちろんこれは私の個人的な経験なので、どちらが正しいのかは分かりませんが…

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