コロナウイルスの状況が悪化する中で、異なる国籍間で差別が発生してきています。ニュースを見ていると、アメリカで中国人に対する差別が悪化し、「お前たちのせいで、アメリカが破壊された！」などと叫んでいる人など、あまりに不条理な行動、言動が世界中で見られます。私の住んでいるタイも、今に始まったことではありませんが、外国人、特に欧米人に対する差別が始まり、問題になっています。
タイ人の欧米人に対する差別
お金持ちのタイ人オーナー
私の経営するレストランのすぐ隣に、土地を貸してくれているタイ人のオーナーが住んでいます。そこには、5歳の子供がいて、私のイタリア人パートナーを本当のお兄ちゃんのように慕っています。私たちが「ママ」と呼ぶ55歳の女性オーナーの家族は、パンガン島でもかなりお金持ちで、土地、バンガローを貸したり、美容室、マッサージ店、スクーバダイビングスクールなど色々とビジネスを展開しています。ママは、普段から外国人を「お金」としか見ていない典型的な差別的タイ人。普段はあまりその面を見せませんが、コロナウイルスの状況でママの態度が悪化します。
欧米人に近づくな！
この状況でも未だレストランは営業できる中で、観光客の多いパンガン島では、欧米人客が99％。レストランにもタイに住んでいる外国人だけではなく、ヨーロッパやアメリカから来た欧米人がたくさん来店します。そこで、オーナーの5歳の孫がいつもの通り、レストランに遊びに来て、遊ぼう！水飲みたい！スイカ食べたい！と色々とおねだりしてきます。すると、ママが孫に向けて叫び出して、「欧米人はコロナウイルス持ってるから、レストランに行くな！」ん？待てよ。レストランは人が多く感染の可能性が高まるから、レストランに近づくな、ではなく、欧米人はコロナウイルスを持っているからレストランに行くな？完全に差別的で無知な言動に失笑です。タイ語だから、外国人のお客さんが理解できないからいいけど、私とイタリア人パートナーは本当に悲しい気持ちになりました。
子供にも差別
それから、コロナウイルスの状況が悪化し、観光客が大きく減ってきたころ、パンガンの学校は閉校して、５歳の孫は1人で家にいるのがたまらなくなり、よくレストランの近くに来て、遊びたいアピールをするようになりました。たまにタイ人やミャンマー人の学校の友達が家に遊びにきて、一緒に遊んでいるようですがそれでもかなり毎日つまらなそうにしています。ある日、スペインから来た家族が来店。子供は８歳で、５歳の孫と一緒に遊びだしました。するとすぐにママが、遊ぶの止めなさい！家の近くに来るな！と叫び出したのです。。ん？待てよ。確か、タイ人やミャンマー人の子供たちとは遊ばせていたような。。。タイ人はコロナウイルスはないと勘違いしている、メディアに操作されている無知でかわいそうなママです。もう発する言葉もありません。
コロナウイルスに対する保険
保険会社に相談
コロナウイルスが話題になりだしたころ、保険会社に相談しに行ったことがあります。当時は、外国人でもタイ人でも600バーツ（約1800円）支払えば、コロナウイルスに罹ったとしても全額カバーされるとの保険内容を紹介されました。もしこの国で病院に行かなくてはいけないくらいに重大な病気になれば、かなり高額な治療費を払わなければならないし、しかも保険のない外国人など、状況によっては治療を受けられるのは最後の最後で後回しになるだろうと思い、家族にも相談してから翌週に決めようと思いました。
外国人は削除
そして、１週間後にやはり念のため保険に加入しようと思い、保険会社に行くと、驚くべきことに「外国人はすでに保険加入できません。タイ人のみ対象となりました。」と言われたのです。私は、タイでレストランを経営し、ビザも労働許可証もあり、タイで税金も支払い３年タイに住んでいるのに、外国人であるがために、保険にも加入できない。。。本当にもうこの国の差別にはこりごりです。
外国人が加入可能な保険は？
代りに紹介されたのは、コロナウイルスだけではなく病気やケガ、事故などコロナウイルスを含む一般的な起こりうる事象を含めた総合保険で、約20,000バーツ（約6万円）のもの。外国人にはなるべくお金を使わせる選択肢しか残さないのがこの王国。私はしょうがなくこの保険に加入することにしました。日本で6万円というとそれほどの額ではないかもしれませんが、タイでは20万円くらいの感覚もの高い保険です。しかも、タイの保険はwaiting periodというのがあって、最初の30日間は事故しか保険が使用できません。支払いは始めるのに病気の適用がないとは、つまり11ヵ月のみの保険になります。さらに最初の90日間は自分で先払いしてから、保険会社が後で支払いをしてくれるというシステム。でも、現在はタイ人のみが加入できるコロナウイルスだけの保険は2週間のwaiting periodだけです。このように、命にかかわることで差別があると、もう昔に惚れたタイへの気持ちは薄れていきます。
将来的に起こりうる問題
今、この島が閉鎖されて、食べ物、水、ガソリンなどが不足し、タイ人の外国人に対するさらなる差別意識が増加するのではないかと危惧しています。そうすると、タイ人の多くはガンを持っていますし、外国人を殺しだしてもおかしくありません。そんな悲惨な状況にならないことを今はひたすら願っています。
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