京大の研究チームが哺乳類や昆虫には昼寝の前に体温を調節する機能を持つ遺伝子があることを記した論文を発表しました。「昼寝」遺伝子が発見されたのは世界初。その論文が今回アメリカの専門誌の電子版に掲載され、世界中の研究者の注目を集めています。
今回研究チームが発見したのはショウジョウバエと「DH31受容体」との関係。タンパク質を作るという「DH31受容体」が昼寝の前の体温調節に密着に関わっていることを研究で解明しました。この「DH31受容体」が体温調節ができないハエを自らが好む温度の場所に移動する性質を引き起こしているというのが新しい発見です。
また人間やマウスなどの哺乳類には「カルシトニン受容体」と呼ばれる「DH31受容体」と同じような昼寝の前の体温調節に関わっていることも分かりました。昆虫と哺乳類の遺伝子は6億年以上前に枝分かれしたと言われていますが、このように同じような昼寝の前の体温調節に関わる遺伝子が発見されたのはとても大きな発見です。
研究者の間では「昆虫と哺乳類の間で体温を下げる仕組みが共通しているのは非常に興味深い。体を休めるという意味で昼寝は生物に非常に大きな役割を果たしている。これからも研究に注目していきたい」という意見が出ています。
ヒトは昼過ぎに体温が一時的に下がって眠気があらわれる体内時計を持っています。この生命現象は長年メカニズムが発見されていなかったのですが、今回京大研究チームはこの研究に新しい光をもたらしたのです。
京大チームはこれからも引き続き昼寝のメカニズムについての研究を続けて行くことを発表しました。また新たに睡眠のメカニズムに関する発見があるかもしれません。どんな新しい発見があるのか楽しみですね。
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