コロナウィルスでタイが混乱中!

タイは比較的コロナウイルスの感染が他の国より遅く始まったと言えます。3月に入り、やっと政府が動き出したようで、現在は日々数十人単位で感染者が増えています。3月29日現在では、タイへの外国人入国が完全に禁止され、バンコク、パタヤなどの都市ではエンターテインメントのお店、マッサージ店、バーなどは完全に閉鎖され、ドラッグストアとテイクアウトのレストラン、スーパーくらいしか開いておらず、外出が自粛されているため、外ではほとんど人を見かけません。そんな中、まだまだ発展途上とも言えるタイでは実は静かに混乱が続いています。

イミグレーションオフィスが満員!

 ビザ延長できるか不安

世界中で同じような問題があるようですが、世界有数の観光国であるタイでは特に大きな問題になっているのが、外国人がタイに滞在するためのビザ。タイに残った外国人が、フライトはキャンセルされ、祖国に帰る手段がなく、周辺国も出入国禁止になっている場合、タイでの滞在を延長せざるを得ません。そこで、ビジネスでも観光でも関係なく、外国人がイミグレーションオフィスに殺到して、ビザの手続きを皆不安ながらにしています。

 これでは感染する一方。。

問題は、多くの外国人がイミグレーションオフィスに殺到することで、コロナウイルス対策では絶対にしてはいけない、大勢での集会を自動的にしてしまっていることです。オフィスでは、マスクをしていない人もいれば、咳をしている人もいれば、狭い部屋に人がごったがいしており、これではウイルスの感染拡大を食い止めるなんて、明らかに難しいでしょう。中国では全てオンライン化しているため、中国でビジネスをするイタリア人の友人は、ビザ関係は特に問題ないと言っていましたが、タイでは、オンライン化は進んでおらず、政府は皆家に居るべきと言っておきながら、ビザの問題を改善しないため、言っていることとやっていることが大変矛盾しています。

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パンガン島に到着した外国人が。。。

 パンガン島でも対策中

パンガン島のオフィシャル感染者数は1名。そんな中でも政府の指令に従って、消毒ハンドジェルをレストランの入口に置くことや、家から外出後は必ずマスクをすることなどが義務となっています。パンガン島にフェリーで到着した人は、到着するとすぐに、警察と地域の病院で組織されたチェックポイントがあって、これまでどこを訪問したか、これからどこに滞在するかなどの質問を全員にすることになっています。マスクを必ず着用しないと入島もできません。

 入島できない外国人

ある日、ある外国人がパンガン島に到着しました。そこでチェックポイントで、咳、熱などの症状があるかと聞かれて、頭が痛いと回答し、さらにマスクもしていませんでした。そして、頭が痛い、というのが引き金となり、警察5名に囲まれて、お前は島に入ることはできない、フェリーで帰りなさいと言われていたのです。おかしいのは、コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのチェックポイントなのに、警察官はマスクをしておらず、しかもその外国人の腕をつかんで他の場所に連れて行こうとしています。まず、チェックする方がルールを守らないでどうやって取り締まるというのでしょうか。

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ネットに書き込みした外国人が逮捕

 入国の条件

タイは、軍事政権ですが、コロナウイルスの拡大を受けて、ネット上のセンサーシップがさらに厳しくなりました。3月29日現在は、外国人の入国禁止となりましたが、つい1週間ほど前までは、外国人もある条件をクリアすれば入国が可能でした。ある条件とは、100,000ドル以上の補償がありコロナウイルスにも適用する保険を保持していることと、コロナウイルスに感染していないという健康証明書を提出することです。

 逮捕に至る

その頃に、ある外国人がバンコクスワンナプーム空港で入国した際に、コロナウイルスに関するチェックを何も受けずに素通りできたと、フェイスブックに投稿。その後、タイ警察に逮捕されたのです。その後の処置がどうなったかはまだニュースになっていませんが、このようなことがあると外国人含む民衆は発言の自由権を失い、民主制の国からは相当遠ざかっていくことでしょう。

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フェイスブックが炎上

 好き勝手にネットに投稿

世界中で亡くなっている人がたくさんいる中で、暇でやることがないと、ネット上で書きたいことをエゴ丸出しで何でも書きまくるような人がたくさん見られます。例えば、パンガン島では、「なぜこのカフェは座って飲食が許されるのに、あのカフェではテイクアウトしかできないの?」とカフェを名指しでフェイスブックのパンガン島のあるグループに投稿。さらに、同じ投稿者が「今日8名バイクに乗っている人でマスクをしていない人を見つけた。」などと書き込み、多くの人からコメントを受けていました。

 助け合いより殴り合い

実は、この投稿者は私のカフェにもたまに来るお客さんで、確かに投稿当日に私のカフェの前を通り、中の様子を伺っていました。何もすることのない60歳のカナダ人男性ですが、人からの注意を仰ぎたいからといって何でも見たもの、思ったことをコメントするのは本当に意地が悪いです。こういうコメントに対しては、「小さくやっているビジネスをつぶしたいのか!」とバッシングを受けていたり、「島ではバンコクと異なり、ルールが定かではないところがあるのではないか」とまじめなコメントを受けていたり。時間がありあまって飽きたからといって、ネットを利用して好き勝手に言動するのは本当に許せないことだと思います。もちろん、彼だけではなく、アグレッシブなネット上の投稿というのは毎日見られ、人間はなんて汚い動物なんだと思い知らされます。

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この状況から学ぶべき

この通り、コロナウイルスによって人間の汚さ、政府の汚さ、この世界がいかに簡単に機能しなくなるか、日々痛感するのではないでしょうか。この経験を元に人間は多くのことを学ばなければならないはずですが、生きるためにこれからもエゴの世界が続いていくというのが私の悲観的予想です。

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