日本から海外に郵便物を送る時に知っておきたいこととは?

海外に住んでいる人に日本から何か小包を送ろうと思った時、どのようにして送ったら良いのかわからない、そもそも届くのかどうか不安、保証や追跡は必要なのか疑問、と思う人も多いのではないでしょうか。私は独身時代、夫がアメリカで生活していましたので頻繁に小包を送っていました。また、夫から小包を受け取ったこともありますし、今は海外在住ですので日本の家族や友達から小包を受け取ることもたくさんあります。ここではそのような経験から、日本から海外に小包を送るときに知っておいたら便利なことを紹介します。

日本と同じレベルを海外に期待してはいけない!

 日本の郵便制度は世界トップクラス

まず、日本から海外に荷物を送る場合、日本の基準で考えてはいけません。日本の郵便制度は世界的にもトップクラスだと言われています。例えば、離島などよほど遠いところに送らない限り、郵便物は基本的に2泊3日で到着します。書留や速達など様々な形態がありますが、普通郵便であったとしても郵便物がなくなるという事は滅多にありません。

しかし、海外の郵便制度はここまで信頼ができるものではありません。時間もかかりますし郵便物がなくなることもあります。だからこそ、海外にものを送るときには常に「なくなる可能性がある」ということを念頭に置いておきましょう。

 本当に郵便物がなくなることがあるの?

夫がアメリカに住んでいた時、数え切れないほどの郵便物を送りましたし、受け取りました。小包は全て届きましたし、夫が送ってくれたものも全て届きました。ハガキが数回届かなかったことがあるように思いますが、送った枚数を考えると、99%以上の確率で届いたように思います。今はヨーロッパで生活していますが、時間はかかりますが基本的に届きます。

中国の郵便制度はあまり信頼できるものではありませんでした。中国から海外に送ったものは何一つなくなりませんでしたが、海外から中国に送ってもらったものは半分くらい届かなかったように思います。中国にいた時に息子が生まれましたので、私は夫の家族から息子の洋服などが届いたのですが、残念ながら届かなかったものもたくさんあります。また、私たちは北京に住んでいましたが、本当に届くのか試してみようということで北京市内から自分たちに宛ててハガキを出したことがあります。結果そのハガキは届きませんでした、笑。南京に行った時も北京のアパートに宛てて出しましたが、届きませんでした、笑。

日本の郵便は海外に比べて、到着が早い、料金が安い、丁寧で正確!

2017.08.30

海外に送るなら小型包装物がオススメ

 小型包装物は比較的安く送れる

海外に荷物を送る時、航空便だと値段が高く、船便だと安いと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。もちろん航空便は早いですし、船便は時間がかかります。しかし航空便は値段が高くなってしまうというデメリットもあります。

そんな時には小型包装物がお勧めです。航空便よりも安く送ることができますし、航空便と対して変わらない日数で届きます。小型包装物で送る場合は郵便局で封筒に貼るシールを受け取り、内容物等を記入しなければいけません。そのため、郵便局に荷物を持参して「小型包装物で」と頼みましょう。

 保証はあっても意味がない?

よく海外に荷物を送る時、「保証を付けますか?」と聞かれることがあります。保証を付けておくと、万が一荷物がなくなったときに紛失物の金額を保証してもらうことができます。

ただし、個人的にはこの保証にはほとんど意味がないと思います。というのは、先ほども述べた通り海外の郵便局はかなりサービスが雑であり、日本のような調査はしてくれません。しかし、海外に送られた荷物は日本を出た時点で海外の管轄となり、日本の郵便局は関与できない状態になります。そのため、日本を出た郵便物が紛失した場合、そもそも紛失したかどうか調べてもらうことも困難になるのです。紛失したという証明がなければ保証してもらう事はできませんし、紛失したという証明をしてもらうことさえできない可能性の方が高いです。つまり、極端なことを言えば、荷物がなくなったらそれきりであり、どうしようもない可能性もあるということです。だからこそ無くなったら困るものは、基本的に送ってはいけません。

 追跡は確かにあると安心

郵便物には追跡サービスをお願いすることもできます。追跡をお願いしておくとその荷物が今どこにあるのか、どのような状態にあるのか、ということが把握できます。

このサービスは極めて便利だと言えるでしょう。かつて日本では、郵便物を届ける際に10人が家にいない場合、近所の人に荷物を預けるということが行われていました。しかしそれがトラブルに発展することも珍しくなく、今では郵便物を配達する際に住人が家にいなければ郵便配達の人が不在票を置いていってくれます。

しかし、海外では近所の人に荷物を預けるということがごく当たり前のように行われています。また、近所の人に荷物を預けたにもかかわらず不在票さえ置いていない、そして日本のような近所付き合いがあるわけでもないので、もしも自分宛の荷物が近所に届けられているということを知らなければ、なかなかその荷物を手にすることができない、ということも考えられます。海外には不在票を置かない郵便配達人や、住人が家にいるかどうか確認もせずに不在票だけ置いていってしまう人も珍しくありません。

仮に近所の人に配達されていたとしても追跡サービスがあればとりあえず「届けられた」ということがわかります。そのため、もしも受け取っていないにも関わらず「届けられた」という状態になっていれば、近所の人が持っているかもしれないと察することができます。そのため追跡サービスは便利だと言えるのです。

 貴重なものはEMSで

なくなったら困る思うものはEMSで送るようにしましょう。EMSは国際的に最も信頼が高いと言われている郵便制度であり、値段は高くなりますが短期間でほぼ確実に届きます。EMSには保証と追跡サービスも付いています。私たちが中国にいた時も、EMSは紛失したことがありません。

EMSでも絶対に紛失しないとは言えませんので、絶対になくなったら困るというものはあくまでも自己責任になります。しかし大切なものはEMSで送ったほうが無難です。

 船便で送る場合は箱に注意

それでも航空便はお金がかかるため時間がかかっても安く送りたいという場合は船便で送る人もいるのではないでしょうか。船便の場合、1ヶ月から2ヶ月ほどで届きます。しかし船便を利用するときには注意が必要です。

船便を利用するときは箱を利用する人が多いのではないでしょうか。船便は様々な輸入品などが送られるため、受け取り国の税関は厳しくチェックをしています。そのため、船便で箱を送る場合、箱は無地のものを選ぶようにしましょう。例えば箱にバナナやお菓子の絵が描かれていたりすると、日本語がわからない外国の税関ではその絵のものが中に入っていると判断されてしまい、チェックを受けることなく処分されてしまう可能性があるそうです。

とは言え、100円ショップなどで敢えて無地の箱を買わなければいけないというわけではありません。例えば画用紙を貼ったりガムテープを貼ったりして自分で絵柄が見えないようにしておけば問題はありません。

イタリア人はバカンスのシーズンにどこに行って何をしているの?

2017.08.29

郵便局の人の話を鵜呑みにしないで

 国際郵便にも風景印が使える!?

アメリカに住む夫に荷物を送っていた頃から感じていたことですが、国際郵便について郵便局のスタッフがよく知っているとは限りません。正直、私の方がよく知っていると感じることも多々ありました。

例えば、日本には風景印というものがありますよね。郵便局に郵便物を持参し、「風景印をお願いします」と言えばその場で押印してもらえます。実はこの風景印は国際郵便でも利用できます。ただし風景印には日にちが入っていないため、海外に送る郵便物には英字の消印を捨印(切手にかからないように押印すること)する必要があり、そうすれば国際郵便にも風景印が使えるのです。これは国際郵便取扱規程第16条注4に定められていることです。

 風景印が押せることを知らないスタッフが多すぎる

このことを知ったとき、私はぜひ夫に手紙を送る時にも風景印を利用したいと思いました。しかし、市内のあらゆる郵便局に行ってもあちこちで「国際郵便では風景印は利用できません」と言われ、私から説明し、最終的に納得していただいてをしていただく形になりました。市内の8カ所の郵便局に行きましたが、すべての郵便局で最初は断られました。説明をしても2箇所の郵便局では押してはもらえませんでした。

そのため、郵便局のスタッフがすべてよく知っていると思ってはいけません。消費者として自分が賢くなることも大切です。

フランス生活20年!パリ通信⑤憧れのパリで暮らす部屋探し

2017.09.12

日本の郵便システムに慣れてしまうと、つい郵便物が届かない海外に対して苛立ちを覚えてしまうこともあるでしょう。しかし、そのような海外のシステムこそ、世界的には当たり前なのです。日本のように普通郵便でもまず紛失しない方が世界的には珍しいのです。夢のない事を言うようですが、海外のシステムは日本に比べると杜撰、ということを念頭に置いて、郵便制度を利用することが大切です。

中国人と国際結婚して感じたカルチャーショック① ~ 俺のプレゼントは嬉しくないの?

2017.09.08
   

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA