オーストラリアにおけるワーキングホリデーとは?最高の休日

ワーキングホリデーというのは、日本では日本国籍を有する18歳から30歳までの人に許されているものであり、日本と協定を結んでいる国家で最長2年の滞在、就学、就労をすることができる制度です。協定国は2017年の時点で20カ国を突破しました。国によって受け入れ人数やビザの料金、滞在できる年数も変わってきますが、ここでは私が経験したオーストラリアでのワーキングホリデーについて書いていきたいと思います。

なぜワーキングホリデーでオーストラリアに行くのか

 なぜオーストラリア?

世界には様々な国がありますが、ワーキングホリデービザを使ってなぜオーストラリアに行くのでしょうか。様々な理由がありますが、1つの例として私自身の理由を簡単に述べてみたいと思います。
私は中学生の頃から介護士になることが夢でした。高校卒業後、介護の専門学校に進学して国家資格を取得し、20歳で介護福祉士として社会人となったのです。23歳の時に研修でスウェーデンに行き、深く英語を勉強したい、海外に住んでみたいという気持ちが強くなり、25歳の時に仕事を辞め、海外に行くことを決意しました。
当時海外に行くにあたり、私は2つの目標を立てました。1つは語学学校に通って英語を勉強すること、もう一つは就労でもボランティアでもいいから介護施設で働くということ。その2つの目標から私の海外生活プランはスタートしたものです。

 ビザをどうする?

まず私は、学生ビザかワーキングホリデービザかで悩みました。国によっても違いはありますが、基本的にはどちらであっても就労や就学ら可能です。しかし、学生ビザの場合は就労できる時間が制限されていたり、禁止されている場合もあります。また、ワーキングホリデービザの場合は最長4ヶ月までしか就学することができません。
予算の都合上、長期的に学校に通うことが難しかったため、短期で学校にも通える上、1年間滞在ができるワーキングホリデービザを利用することにしました。

 国をどうする?

また、どこの国に行こうか悩みました。語学学校に行きたかったため、カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドの英語圏の国の中から決めることを決意したのです。
しかし、まずイギリスはワーキングホリデービザを取得できる人数が1年間で決められており、抽選が必要だったためすぐに行くことができず、断念しました。カナダは寒いイメージがあり、私は寒い気候が苦手だったために断念。温暖な気候のイメージがあったオーストラリアに行くことに決めたのです。もっとも、私が滞在したメルボルンとアデレードは実際は日本とそんなに変わらない気候でしたが。
つまり私は消去法でワーキングホリデービザ、オーストラリア、ということを決めたのです。海外で生活するという一大決心をそんな簡単に!と思う人もいるかもしれませんが、長い人生で見たとき、そのうちの1年なんて本当にあっという間です。さらにワーキングホリデービザを取得できるのは30歳までという制限もありますから、行きたいと思った時、行きたい場所に行くべきなのです。

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ワーキングホリデーで見てきたこと

 語学学校について

私はオーストラリアという国に1年間滞在し、語学学校に通いました。ワーキングホリデーでオーストラリアに行く日本人は、大抵の場合は最初に語学学校に通います。その期間は様々ですが、2週間から4週間ほどでしょうか。
もちろん学校に通わなくても滞在することは可能です。しかし残念ながら、日本人の語学レベルは他の国の人と比べて群を抜いて低いと言われています。語学学校の日常会話コースはどこの学校も大体5つから6つのレベルに分けられますが、日本人は低いレベルに集まりやすいです。
また、学生ビザのように長期的に英語を勉強したいと思っている人に比べると、短期で語学学校に通うワーキングホリデービザの人々は友達作りに重点を置いている人が多いようにも感じました。英語力を伸ばすことができず、結局は日本人同士でグループを作り、日本語でしゃべりあう… そのような日本人がたくさんいたように思います。日本人は群れをなしたがり、だからこそ他の国の人々から敬遠されてしまうのです。

 目的は様々

しかしもちろんこれはただの一例で、誰もがそういうわけではありません。ワーキングホリデーの目的は人それぞれ違い、外国人の友達を作りたいわけではなくただ旅行がしたいと思っている人もいます。日本人の知り合いを増やしたいと思ってオーストラリアに来るならば、それでも構わないのです。
しかし本気で英語を勉強したい人や外国人の友達を作りたいと思っている人は、あまり日本人とばかり集まりすぎないこと、そして簡単で良いですから、事前に中学から高校までに習った英文法ぐらいは復習しておきたいものです。

 仕事探しについて

貯金がありワーキングホリデーでの滞在中は旅行する、という目的で海外に行く人にはあまり関係ないかもしれませんが、大抵の人は仕事をするのではないでしょうか。これも語学学校と同様に、自分がどのような環境でどんな仕事をしたいかということにもよります。
オーストラリアでの就労は英語レベルと給料が比例すると言っても過言ではありません。オーストラリアの最低賃金は時給約17ドル、日本円で約1,400円ほどです。そしてワーキングホリデービザの人は、同じ雇用主のもとで6ヶ月しか働くことができません。これは法律で定められていますが、実際には最低賃金を支払わない雇用主がとても多いのです。

 キャッシュジョブ

最低賃金を支払われない仕事は俗に「キャッシュジョブ」と言われます。仕事を始める際に契約等を交わすことわなく、給料は手渡し、つまりキャッシュで渡すことによってその人は合法的に働いているということにならず、雇用主は働き手に最低賃金はもちろん、税金なども支払わなくて済んでしまう、というシステムです。キャッシュジョブはいろいろな場所、特にレストランやカフェで見かけますが、極めて多いのは地元オーストラリア人の経営による場所ではなく、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在している人向けの外国人経営のレストランです。つまり、英語が話せない日本人が働ける場所というのは英語を話す必要がない日本食レストランなどであり、違法賃金のキャッシュジョブが多いのです。しかし彼らは他に仕事がないから働かざるを得ない、という方程式が成り立ってしまうのです。それが先ほど述べたように、英語レベルと給料が比例するということなのです。

 場所による

もちろん外国人系であっても合法的に支払っている場所もあります。実際私がメルボルンで初めて仕事をした日本食レストランはきちんとした給料を払ってくれる場所でした。しかしそれでも最低時給の17ドルであり、休日の手当てはありませんでした。オーストラリア人の場合は日曜日や祝日に働くと時給が割増になるのですが、私にはそのような事はなかったのです。
そして、仮に合法的に支払いされる日本食レストランで働くとしても、働いているのは日本人ばかりですから日本語ばかりを話すということになります。結局英語力は伸びず、日本にいる時とさほど変わらない毎日を送ることになってしまうのです。
レストランやカフェでは英語が必要になりますが、英語しゃべる必要のない仕事にはファームジョブというものもあります。これは農業ですが、レストラン同様に悪徳な場合も非常に多く、実際に働いてみないとわからないことも多いためリスクがあります。

 仕事探しの大変さ

私はメルボルンで語学学校に通い、日本食レストランで働きました。学校終了したらその仕事を辞め、今度はアデレードという小さな町に移り、再度仕事を探し始めたのです。
もともと日本人はあまり多くない街なのですが、英語力を伸ばすためにも日本人がいない場所で仕事をしたいと思い、日系ではないレストランやカフェにメールをし、自分の履歴書を送ったり、実際にレストランに入って「雇ってほしい」と言いながら履歴書を配ったりもしました。これはオーストラリアのみならず、海外で仕事を探すのであれば一般的な方法です。
しかし、その方法に慣れていない私にとってはとても大変でした。もう二度としたくないと思うほど辛いものでしたが、その努力の甲斐もあり、日本人が1人もいないレストランでフルタイムで働けることになり、英語力も大きく伸ばすことができました。実際はキャッシュジョブだったのですが、もらえる額は悪くなかったのです。たった2ヶ月で5,000ドル、つまり約44万円の貯金をすることができました。

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ホリデーは充実させるべき!

ワーキングホリデーのイメージというと、どうしても勉強や仕事ではなく遊びというものが強いかもしれません。でもそれは間違いではありません。なぜならこれはホリデーなのですから!
大事なのはそのホリデーをどのようなものにするかということです。日本人だけで固まって日本語をしゃべり、何も成長せずに日本に帰るのか。外国人の友達をたくさん作り、英語の環境で仕事をして英語力を伸ばし、それで日本に帰るのか。はたまた長期的に旅をするのか、そのホリデーをどう過ごそうとその人の勝手ですが、自分の思いや努力次第でそれはいろいろな形に変わります。皆さんのワーキングホリデーが素晴らしいホリデーになるように祈っています。

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