みなさん、Wwoofという世界的なボランティアサイトをご存じでしょうか。このサイトでは、主に世界中のオーガニック農家を紹介しており、希望の国・地域、仕事内容に合わせて、農家と直接コンタクトを取ることでき、条件が合えば現地で実際に農業体験ができるというものです。フルーツ、野菜、お肉、お花、養蜂など、扱うものは様々です。私はイギリスとイタリアでそれぞれ1ヶ月ほど体験しましたが、今回はイタリアでの3農家での体験をご紹介します。
楽しい瞬間
Wwoofボランティアの楽しみは、色々あります!素晴らしい点は、日々日本では決してできない経験です。
世界中の人との出会い
1つの農家で複数のボランティアが働いているときがあります。これがおもしろい、ボランティアのミソ。色んな国籍の人と交流することで、他の国でのボランティアの話、旅の話、恋の話、色んな話が聞けます。後で振り返ると、これが一番の宝になったと思います。イタリアでも、ドイツ人、オーストラリア人、そしてイタリア人(ボランティア中の)と働き、大学の授業に出るより何倍もいい話が聞けたな、と思ったときもあります。旅をしている人は、比較的人生を自由に生きている人が多いので、生きることに対する感覚や、空いた時間の使い方、将来の野望とか、毎日エアコンの効いたオフィスで働いている人とは全然違う思考で、すごくいい刺激になります。シチリアで一緒に働いたオーストラリア人のカップルは、アメリカのレストランで働いていた際に出会って、農業ボランティアをしながら半年間ヨーロッパ中を巡ってから、オーストラリアに帰国するとのことでした。その後は、自分たちのレストランを開業したい、と目を輝かせて語る姿を見てからは、やりたいことを思いっきりやることが人生を謳歌することなんだと学びました。
農業についての知識・経験を増やすことができる
このボランティアを体験する前は、農業についての知識はほとんどなかったのですが、農家の方と実際に一緒に農作業をすることで、食べ物を育てる難しさと、それに対する報酬の少なさを実感しました。キャベツの上手な収穫方法の特訓、オレガノは放っておいても育つこと、オリーブの収穫はひたすらオリーブを木から取って箱に入れていく単純作業、養蜂の専用服を着用して箱からハチミツを取り出す、収穫したフルーツや野菜を街の週末マーケットで売るが、オレンジ5個で1ユーロにしかならないなどなど。。色々やりましたが、これを一生やると思うと、どれだけ大変なことか。とにかく、食べることに対して、もっと感謝できるようになるのは間違いありません。
現地の文化を知ることができる
また、農業だけでなく、その国の文化を知ることができるのはかなりの利点です。朝食から夕食、仕事のあとの談笑、週末のちょっとした街巡りまで一日中農家の方と過ごすことになるので、言語を学ぶのも良し、料理を学ぶのもよし、ボランティアといいながら、自分次第でできることはたくさんありますし、逆に色々と助けてもらえているのはこちらの方かもしれません。
ボランティアと言えど
ボランティアと言っても、ちゃんと仕事させられちゃいます。もちろん遊びで行ったわけではないですが、お給料が出ないので、ある程度休みたいときは休めるものと思って行きました。でも、全然違ったんですよね。
何もない田舎のど真ん中
農家なので、大体は街から離れた場所にあるのがほとんどです。だから良いのですが、ちょっと長い時間居すぎると、頭がおかしくなりそうなぐらいの田舎のときもあります。街に行きたいときは、農家の方の車で送ってもらわないといけないですし、一人の時間というか、自分のペースで動ける時間が少ないと感じるときもありました。
労働時間
農家はとても働きもので、早朝6時から水撒きや収穫を開始して、昼食を13時から取り、シエスタを2時間ほど取ったあと、19時くらいまでほぼ休みなしで働くなど、一日中重労働が続きます。外で一日中働くのに慣れていない私は、初日からバタンキュー。本当に農家は大変なんです。農家によると思いますが、シチリアの農家はボランティアにも同じように仕事を与えていましたので、2週間いた最後の方は、もう農業はしたくない、という気持ちもあったくらいです。
農家の冷たさ
3つの農家のうち、1軒の農家がすごく冷たい家族でした。仕事内容も、掃除中心で、農作業から学べるような環境ではなく、食事のときだけ呼んでもらえる感じ。こちらからコミュニケーションをとろうとしても、なかなか会話になりませんし、日本とイタリアの違いなどをオープンに話しても、相手はどうしてもイタリアはNo.1だという結論になる。。。奴隷のような気分がしたので、予定より早くその場を去り他の農家に移動しました。運が悪いとたまにこのような方もいるので、合わない、何かおかしい、と感じたときは次へ移った方がいいですね。
多くの人に体験してほしい
この体験で、イタリア語が上達し、さらに人とのつながりできたことは一生モノだと思っています。農作業で自然に身を置き、しかも自分で採った野菜やフルーツを食べられたことで、人間はもともとこうやって生活していたんだな、と実体験できました。現代社会で暮らしていると、自分が食べているものでさえ、よくわからないことがほとんどだと思います。こうやって生産者の立場になると見えてくるもの、考えさせられること大切な概念だと思います。
コメントを残す