タイにあるイタリア大使館に行ってみた!イタリア語を話すタイ人との会話

どの国にも必ずあるもの、それは大使館、領事館です。私は現在タイ在住で彼がイタリア人なので、イタリア大使館に付き添いで行ったことがあります。そして、私自身パスポートの更新などで日本大使館にたまにお世話になることがあるのですが、日本大使館とイタリア大使館を比較すると、同じタイにあるのに、いざ大使館に一歩入るともうタイではない、日本とイタリアそのものなのです。なんだかおもしろい体験をしたので、その様子を今回はみなさんにご紹介したいと思います。

まずは向かってみる

 追いやられている。。。

間違いなくイタリア大使館は追いやられている。というのが正しい表現かわかりませんが、少なくても私にはそう映りました。大使館の集まるエリアはルンピ二公園というバンコクでも一番有名な公園周辺になります。確かにその周辺にはオフィスが多く、治安は悪くありません。オーストラリア大使館、メキシコ大使館、ドイツ大使館と勢ぞろいです。アメリカ大使館がすぐ隣にあるのですが、広い土地に堂々と一戸建ての立派な建物がそびえ立っています。さすが、アメリカですね。存在感があります。その隣にひっそりと佇むのが日本大使館。こちらも一戸建てですが、さすが日本。色使い、建物のデザインから日本らしいシンプルさです。それに比べてイタリア大使館はどうかというと、オフィスビルの中の1角に本当に小さなオフィススペースを借りて大使館としているような感じです。エントランスに金属探知機が置いてあるので、ここは何か重要な施設なのだろうとわかりますが、日本のひっそりよりひっそりなので、彼に連れられないと、または人に聞かないとそれが本当にイタリア大使館かわかりません。そして金属探知機がおいてあってので、すっかりその間を通るか、カバンを通すかするのかと思っていたら、そこに座っているガードマンを素通り、探知機も素通り。何のための探知機なんだ。その時は気づきませんでしたが、すでにここからイタリアらしさが始まっていたのかもしれません。

 入り口には

自動ドアを入ると、いきなりそこにはガラス越しに受付があって、タイ人が座っています。イタリア語ペラペラ。タイ人とイタリア語をしゃべる?!?!なんだか奇妙過ぎる瞬間。そして、その横にはカラビニエリと呼ばれるイタリア人のおじさん警官が立っています。明らかに暇そうな顔で。身分証明書を見せて、OKという顔をされてすぐに返却されます。「パスポートを紛失したので、先週新しいパスポートの申請をしました。今日はその新しいパスポートの受取にきました。」彼がそういうと、受付の方が、カバンや飲み物、携帯など何も部屋の中には持ち込めないのでロッカーに入れてください。というんです。えっ、携帯も飲み物もダメなの。。。日本大使館は、カバンの中身のチェックもなければ、金属探知機を通らされることもなければ、入り口で身分証明書を確認されただけで、どこかに荷物を預けなきゃいけないなんてことはありませんでした。これ、待たされる間もぼーっとしていなきゃいけないわけ?と心の中で思いながらも、持ち物すべてをロッカーに入れます。

待合室の様子

 なんという殺風景

待合室へ行くと、ガラス越しに窓口が3つあって、7×10mくらいのスペースに椅子が30個くらい並べられています。殺風景で音楽も何もない中、私たちが行った際はすでに10名ほど待っていました。タイ人がほとんどですね。代理で来ているような人も見られます。殺風景の中にもテレビが1台ぶら下がっていて、そこには何か暇つぶしになるようなイタリアのテレビ番組か何かかかっているかと思ったら、わけのわからないイタリアの風景写真がスライドショーで流れているだけ。。しかも綺麗な写真ではなくて、どこからこの写真をもってきて、何の意味があってこれを流している?と思わずつっこみたくなるようなもの。まだまだ所得の低いタイで、イタリア観光に行くためにビザを取得しに来るタイ人の数は圧倒的に少ないはずなのに、なぜこれなのか。。。タイに滞在しているイタリア人が見てもしょうがないし、イタリアに住んでいるけど一時的に帰国したタイ人が見てもしょうがないし、さすがイタリア流ですね。ちなみに、日本大使館では、NHKが流れていて、長い間待ってもあまり暇をしないようになっていますし、色々な情報誌が置いてあったり、申請書類などが纏めて置いてあって、殺風景とは程遠い待合室です。さすが日本!

 窓口でもイタリア

窓口の様子はどうでしょうか。。3つあると言いましたが、窓口の担当者は、居たりいなかったり。トイレに行ったり、明らかに裏で休んだり。適当ですね~。しかも、待合番号なんて存在しないので、あと何番で自分の番が来るのかもわからないのです。窓口の担当者に適当に名前を呼ばれているだけ。しかも、部屋が狭まいせいか、申請者と窓口のやりとりがその部屋全体に響いて聞こえます。あるイタリア人夫婦が来たときは、結婚届と新生児の何かしらの届を出しにきたようですが、男性側が昔に1度タイ人と結婚したが、その後離婚したらしく、その時の書類がイタリア側とタイ側で一致していないから、他の事務局へ行く必要がある、なんていうプライバシーのことまで、聞こえてきます。また、他のイタリア人男性1人はタイの滞在に関する書類を申請したようで、書類をすべて窓口でもらったあとに、担当者に質問があったようですが、「それと、質問があるんですけど。。。」と言ったころには、担当者は席を外していて、その男性もイタリア流に「あっ、もういいや、さようなら」と言って、帰っていきました。聞きたいことはなんだったんだろう、とこっちが気になってしまいます。なんてみんな適当に生きているんだ、、、と私は笑いっぱなし。日本大使館では、閉まっている窓口にはカーテンがかかっていて、どこの窓口が対応しているのかわかりやすいようになっていますし、担当者が長い間戻ってこないなんてことはありませんでした。

やっと順番がきた

 隣のおばさんとお話

結局2時間待って、私たちは最後となりました。順番が来る前に、隣にいるタイ人のおばさんと話していましたが、タイ語よりイタリア語の方ができる私は、イタリア語で話しましたが、ちょっと異様すぎて言葉がでてきませんした。英語の話せるタイ人はたくさんいますが、まだまだ他のヨーロッパ言語は浸透していないからです。それがこんな70歳のおばさんとイタリア語で会話するなんて素敵です。

 窓口へ

そんな素敵な時間もありながら、やっと2人残された私たちは窓口へ。そしたら5分で完了です。思わず、「ワオ!」と叫んでしまいました。この2時間はなんだったのかと。まあそれも、受取り専用窓口みたいなものを作れば、すぐに受け取って帰れたはずです。んーでも、そんな窓口作るのがめんどくさい、それがイタリア。しかも私たちに順番が回ってくる頃は、ちょうどお昼どきだったので、なんか窓口の裏からランチどこ行く~みたいな話が聞こえてきます。途中、トイレに行ったら暇そうなイタリア人警官も、早くランチへ行きたそうな顔しています。今日は、パスタにしようかピザにしようか考えているのでしょうか。

日本人である恩恵

どうですかイタリア大使館の様子?もしこれが日本大使館だったら。。。と考えると、絶対にクレームの嵐だと思います。でも、イタリア人が相手だからこれで成り立つ。なんだか、タイにいても、全く違う世界が存在するのだと、不思議な気持ちになりました。こういうときに、日本でも評判はよくない役所だとしても、手続きが比較的スムーズにいきやすい日本で生まれてよかったなぁと思います。

   

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