イギリスと言えば、パブを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。イギリス人の生活にとってパブは欠かすことができず、大切な憩の場になっています。どんなに小さい田舎町であっても必ずパブがあります。パブというのは「パブリックハウス」の略称であり、「みんなの家」「憩の場」という意味になります。ここでは、イギリスでのパブの楽しみ方やマナーについて紹介していきます。
オーダーの仕方とマナー
カウンターで注文してお金を払う
イギリスのパブでは、カウンターで注文しその場でお金を払います。これは「キャッシュオンデリバリー」と言います。イギリスのパブにはチップは必要ありませんから、安心です。
場所によってはカウンターに小さな入れ物が置いてあり、小銭が入っている場合はお釣りをチップとして入れる紳士もいます。また、例えば4.5ポンドの金額の場合、5ポンドを支払って「おつりは要らないよ」と言い、チップとする人もいます。
マナーについて
カウンターには大勢の人がビールを買いに行きますから、人だかりができます。しかし、それでもみんな順番を守っているのです。カウンターの前に立ち、注文をするときには「誰が自分の前にいて、誰か後から来たのか」ということを無意識のうちに把握しているのです。
もちろんバーテンダーも並んだ順番を把握してくれていることもありますが、混雑した場合は「次は誰の番?」と聞かれることも少なくはありません。そのような場合は1番長く待っていた人が注文できます。イギリスのパブでは暗黙の了解のように、見えない列が存在しているのです。
もし順番を飛ばされてしまったら、大きな声でオーダーしましょう!笑
人気のお酒とラウンド
イギリスのビールは570ml
イギリスのビールは570mlが一般的です。これを「パイント」と言います。570mlはちょっと多い、最初はゆっくり飲みたい、などという場合はハーフパイントを頼めば半分の量にしてもらえます。
イギリス人はビールが大好きですから、ビールを最初にオーダーすることが一般的です。基本的にはずっと同じ銘柄のビールを頼む人が多いです。ノリで、最後だけはスコッチウイスキーを飲む人も多いのですが…
「エール」が人気
イギリスのビールはエールが好まれる傾向にあります。ラガーを好む人もいます。また、ギネスはアイルランドのダブリンで作られたものですから、ギネスを好む人もいますし、黒ビールを好む人も少なくありません。ラガービールというのは外面発酵で醸造され、エールビールは上面発酵で醸造されているという違いがあります。
イギリスのパブのビールや、家で飲むビールも冷えていません。常温で飲むのが一般的です。キンキンに冷えたビールは日本ならではでしょうか。
ちなみにイギリスのカクテルと言えばピムスが挙げられます。ジンをベースにしてレモネードで割り、イチゴやブルーベリー、ラズベリーを入れ、きゅうりとオレンジのスライスにペパーミントを加えたものが、特に夏には人気です。
ラウンド
2名以上でパブに行った場合、支払うときにはまず、最初の人がみんなの分のビールをオーダーします。そして次は別の人が2杯目のビールを買いに行き、みんなのビールのお金を支払います。このように順番に会計していく方法がイギリス中であり、これをラウンドと呼びます。イギリスには割り勘という概念はまずありません。
家族で楽しめるイギリスのパブ
ランチが食べられるお店もある
パブと言えば夜のイメージがあるかもしれませんが、イギリスのパブはお酒以外にもパブ料理を楽しむことができます。朝から夜までやっているパブは、昼間にランチを食べることもできますし、コーヒーを飲むことも可能です。パブの定番料理はいうまでもなく、フィッシュ&チップスです。
また、家族や子供連れも大歓迎という看板があるパブもあります。子供のメニューも充実しており、さらにメニューの裏側はぬりえになっていたりして、子供も楽しむことができるのです。クレヨンのサービスがある場合もあります。マナーを守れば20時までは子連れで過ごすことが可能です。
大人はパブの営業時間が24時までのため、夜遅くまでワイワイと飲んでいます。週末の24時前後は終電を逃した人がタクシーを待つために列を作っています。もちろんみんなほろ酔いですから、テンションが高く、とても賑やかです。
スポーツ観戦には注意
イギリス人はスポーツ観戦が大好きなので、自国の選手なり自国のチームなりを熱烈に応援しています。イギリス人といっても、イングランド人、ウェルズ人、スコットランド人、北アイルランド人といますから、ラグビーやサッカーの対決のときにはみんなが必死になって自分の出身地を応援します。そのため雰囲気が重くなってしまうこともあります。
「イングランドVSスコットランド」のラグビーの試合などは、サポーターがきっちり2つに分かれます。応援する際にはパブの中の雰囲気やどっちのサポーターが多いのかということをしっかり見極めてから応援しましょう。
イギリスに行ったらパブを楽しもう!
いかがでしょうか。イギリスのパブは年齢の幅も広く、年配のおじさんも陽気にビールを飲み、楽しく時間を過ごしています。週末のパブは溢れんばかりの人で賑わいます。イギリスに来たら、ぜひパブを楽しんでくださいね。
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