海外に旅行に行くことと、実際に海外で生活してみることは大きく異なり、海外で生活してみると、日本の魅力を再確認することもたくさんあります。ここでは、私がイタリア、ローマでの生活を通じて感じた日本の良さを紹介します。
常に正確
バスも電車
海外で生活すると、日本の公共交通機関は素晴らしいと実感します。満員電車などストレスに感じることもありますが、それでも便利でありきれいですよね。何より時間に正確です。数分の遅延で謝罪アナウンスが流れる国なんて、日本くらいだと思います。
イタリアのバスや電車はまず正確な時間で来ることがありません。特にバスは15分毎と言いながら30分来ないということも日常茶飯事です。もちろん、謝罪アナウンスなんてありません。ストライキも多く、交通網がストップしてしまうこともあります。車内も椅子が壊れていたり、エアコンが効いていなかったり、地下鉄はスプレーの落書きがひどいこともあります。
イタリアの公共交通機関は薄給でハードな仕事のようです。そのため、ドライバーにもやる気はなく、苦情を言ってもいうだけ無駄です。利用客が余裕を持って出発し、イライラしないように気をつけるしかないのです。
お役所仕事
もし、手続きや書類等に関してわからないことがあれば、日本では市町村の役場に問い合わせたら、まず正しい回答をもらえますよね。物事は簡単に解決します。日本では社員教育や組織のルールも徹底していますし、とてもスムーズに物事が進むのです。
イタリアのお役所仕事は、日本に比べると本当にてきとうです。警察関係や消防救急関係は非常事態にはしっかりと働き、心強いですが、朝から堂々と接客対応しながらコーヒーを飲んでいたり、外でジェラートを食べていたりという姿も見かけます。キットカットを食べながら銃を片手に警備している兵士もいます。私の夫はイタリア人ですが、夫には違和感がないようです。
公務員であっても、人によって言うことが違いますし、適当な返事をされるということもたくさんあります。公の機関の書類に書いてある電話番号にかけると、「現在この番号は使われておりません」と言われてしまったこともあり、あの時は本当にカルチャーショックを受けました。日本は素晴らしくスムーズにことが進む国だと思いました。
サービス業は丁寧迅速スムーズ
宅配システム
日本は荷物が不在時に届くと、不在票に再配達の問い合わせ先が載っています。早ければ当日中に届けてくれますよね。もちろん、最近はサービス過剰という問題も指摘されていますが、私が日本にいた時はこのサービスは普通のことだと思っていました。
イタリアでは、不在票が入っていたら、翌日以降に指定された場所まで取りにいかなければいけません。このようなシステムはイタリアに限ったことではなく、むしろ多くの国で共通だと思います。通常の宅配業者は再配達をしてくれません。重い荷物などは大変です。
あらかじめ届く日がわかっている場合は1日届くまで自宅待機しなければなりません。不思議な話ですが、ちょっとだけ外出した際に物が届くということもよくあります。
修理依頼は迅速対応
例えば、日本ではキッチンの水道が水漏れして直さなければいけないという場合、祝日であってもすぐに対応してくれる会社がたくさんあります。さらに、即日か翌日には解決しますよね。
その一方で、イタリアではそうはいきません。水漏れが起こったのが12月20日だったとしましょう。すると、電話がつながったとしても業者はクリスマス休暇に入りますから、早くても年明けの対応だと堂々と言われてしまいます。もちろん、週末などの休日は電話がつながらないこともたくさんあります。知り合いにコネでもない限り、諦めて待つしかありません。
お釣りもきっちり
お釣りが帰ってくるかどうか
日本で買い物をすると、まずお釣りが正確に帰ってきます。多少違ったとしても、指摘すればすぐに訂正されますし、間違えたとしても店員さんがわざとやったわけではありません。
イタリアのスーパーでは、細かい1円単位のお金がごまかされることもたくさんあります。レジに小銭がない場合、面倒くさがられることも少なくありません。例えば、€4.98の会計に€5出したとしましょう。そうすると、お釣りがもらえない場合もあります。しれっと次の客の会計を始める場合があるのです。
「ちょっと待って、お釣りをちょうだい」と言えば返してくれる時もありますが、「ごめんなさい、今細かいお金がないので」と悪びれる様子なく言われたこともたくさんあります。
ただし、逆の場合もあります。例えば€5.03を払う際に€10を出した時、3セント持っていないかどうか確認され、持っていないと答えるとおまけしてくれることがあります。例えばこの場合だと、€5お釣りとして帰ってきます。よく言えば臨機応変ですが、正確ではありません。
自分の国の良さに気づくこと
海外旅行に行くと、どうしてもその国の要素ばかりが身に付くかもしれません。というのは、観光地というものは観光客にとって居心地が良いように工夫されているため、悪いところを目にする必要がないのです。
しかし、実際にその国で生活してみると、自分の国の良さに気づくことがたくさんあります。日本にいたときには当たり前のことすぎて気づかなかったことでも、今はとてもありがたいことだと感じています。
自分の国の良さに築けることも、海外で生活する醍醐味の1つかもしれません。
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