ミャンマー在住です。ここで生活をしていて1番気をつけなければいけない事は衛生面です。ここでは、衛生面の中でも私たちが常日頃から気にしている水道の問題、停電が多いという事実、そして医療機関についてお話ししたいと思います。停電が多いと聞くと、「そんなのは衛生面ではないだろう」と思う人もいるかもしれません。しかし、蒸し暑いミャンマーでは、電気が使えないという事は大変なことなのです。
水道の問題
水道水は絶対に飲んではいけない
ミャンマーに限ったことではありませんが、ここミャンマーでは水道水は絶対に飲むなと言われています。旅行者にも注意喚起がなされています。私が知っている旅行者も、うがいさえ水道水では行ないません。必ずミネラルウォーターを使い、歯磨きやうがいを行います。
私自身、ミャンマーに駐在をしていて、水道水は飲んだことがありません。何度か水道水でうがいをしたことがありますが、なぜか口の中から出血したことがあります。それ以降、怖くて水道水を口に入れることができません。
ここミャンマーで水道水を使うのは、掃除の時ぐらいでしょうか。ミャンマー人でさえ、水道水でうがいはするけれど、水道水は飲みません。それほど汚いのです。
水道水がどれくらい「きれいではない」のか
そのような水道水がどれくらい汚染されているのかというと、ミャンマーで白いワイシャツなどを洗うと、徐々に色が変わっていくほどです。現地にいるときは、その変化にはなかなか気づきません。しかし、日本に持ち帰って日本の白シャツと比べたとき、それは一目瞭然でした。
日本へ帰任する人は、スーツやワイシャツなどは日本に持って帰りません。私もオーダーメイドのスーツを日本からミャンマーに持ってきましたが、水が汚く色が変わってしまうため、ミャンマーでは着ることなく、日本に送り返してしまいました。以前、洗濯機を回す前に水道水をバケツに組んでみたところ、黒いつぶつぶが混じっていました。調べたところ、マンガンでした。
また、しっかりと洗浄されていない水道水が流れてくる排水管などはサビが付着していることも当たり前ですし、雑菌も多いです。
さすがにシャングリラホテルなどの高級ホテルでは浄水器を設置し、水を徹底的にきれいにしています。そのため、そのような場所ならば水を飲んでも安全です。飲食店でも水道水で食器を洗う事はなく、ウォーターサーバーなどのきれいな水で食器を洗うのです。
どうやって水を買うのか
ミャンマーに住む人は、スーパーやコンビニで水を買ったり、ウォーターサーバーを購入したりすることが多いです。ペットボトルの水は、日本で買うと500ミリリットルが100円程度ですが、ミャンマーならば1リットルで20円もしません。ウォーターサーバーの値段は5,000円もしないのです。確かに収入や物価が全然違うので安易に日本と比較することはできませんが、ミャンマーの水は決して高くはありません。
ヤンゴンのダウンタウンにある露天では、1リットルの水6本で100円もしません。さらに、ウォーターサーバー用の水を20リットル以上買えば、1リットルあたりの金額がさらに安くなります。水がブランド化されておらず、あくまでも日用品として扱われているため、日本に比べると安価で購入できるのです。
停電が多い
乾季の停電
ミャンマーの国は、6割以上が水力発電でまかなわれているため、乾季の終わり頃は頻繁に停電が起こります。10月から4月までは乾季であり、気温も4月は40度を超えます。ですから、40度の時期に停電となってしまうと想像以上に蒸し暑くなります。
雨季の停電
もちろん、雨季でも停電します。その理由は漏電です。漏電によってショートが起こり、停電します。2016年には、ショートしたケーブルが地面の水たまりに落下し、その水たまり付近にした人が感電死したという事故もありました。そのため、雨が降っているからといって安心はできないのです。
2012年から2017年まで、停電が改善される事はありませんでした。電力供給量が改善されたとしても、ここ数年間で大きな商業施設やオフィスビル、ホテルなどが完成したため、供給量と同じく電力消費量も増えているのです。
医療機関
病院の選択が大切
医療機関のあまり充実していないミャンマーでは、「怪我や病気をした時はタイのバンコクに行く方が良い」と言われています。
今ではヤンゴン市内にも設備が整った病院が建設されつつあります。私も2015年に40度近い熱を出したことがありますが、その時は小さいながらも比較的きれいな病院に行きました。点滴を打ってもらい、比較的すぐに治りました。
確かにここではエイズの知識なども乏しいため、針を使い回しするという病院も決してないとは言えません。私が行った病院では、幸い新品の針を使ってくれましたので、その心配はありませんでした。
日本の正露丸が効かない
よく、「お腹を壊したら正露丸」と言われますよね。私がミャンマーでお腹を壊したとき、正露丸は効果がありませんでした。どうやら菌が大きいため、日本の薬ではだめなようです。しかし、やはりミャンマーの薬が本当に大丈夫で副作用がないのかどうかも気になるところです。
以前、片耳が聞こえなくなったために病院に行ったことがあります。そこで出された薬は、フィリピン、インド、インドネシアで作られたものでした。思わず不安になり、医学部出身の友人に薬の写真を送りました。友人からは「成分は許容範囲だから大丈夫だよ」という連絡をもらいましたが、この連絡がなかったら怖くて飲めなかったと思います。
海外生活は苦労がいっぱい
どこの国でも同じだと思いますが、海外で生活するという事は意外に大変です。特に大きな病気や事故などの命が関わる場面では、日本の清潔さが恋しくなることもあります。
しかし、それはそれで海外で暮らす醍醐味の1つだとして受け入れることも大切だと思っています。その分、日本に一時帰国したときには、転入届を出し、様々な医療機関にかかり、健康であることを確認するという人も多いのではないでしょうか。
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