外国人とコミュニケーションを取るとき、英語を使って話をする方が大半を占めるかと思います。英語は世界共通語なので伝わりやすいことが理由に挙げられます。しかし、英語に頼った言葉だけのコミュニケーションにとらわれていると、知らず知らずのうちに信頼を失ってしまうことがあるかもしれません。今回はコミュニケーションについて紹介します。
大丈夫だと思っていたけど大失敗
イギリス出身で英語の教師をしている友人と話していた時の事です。彼の友人が日本に遊びに来る際、どこかいいお店はないか?と聞かれたので、私は「〇〇のお店がおすすめ。予約をしておいた方が良いよ」と英語で伝えました。
このとき、「予約をした方が良い。」と言う文を、”You had better reserve a table.”と言ったのですが、イギリス出身の友人の眉間にはシワが寄っていました。
どこが間違っているのか?
友人に率直に尋ねてみたところ、”~had better(~すべき)”の意味を教えてくれました。この表現は、実は、お母さんや学校の先生が子供や生徒に対して使う表現なんだそうです。ですから、友人やビジネスへ「~すべき」と伝えたいならば、”should”を使うのが正解だったそうです。私は知らなかったとはいえ、なんとも上から目線でおすすめをしてしまいました。友人が嫌な顔をするのも、無理はありません。
友人関係で私の英語力を理解してくれているからこそ、謝って許してくれましたが、この会話がビジネスだったとしたらどうでしょうか?「~すべき」という表現は、ビジネスの場でよく使われる表現ですよね。繊細なコミュニケーションが必要とされる現場で、このようなことが起これば大変な事態になってしまいます。
英語が分かっているだけじゃダメ
先ほど紹介した通り、英語が分かっていても、ニュアンスが理解できているのか、どんな時に使うのか、又はTPOに合わせた言葉や文法まで理解しておく必要があります。そうでないと、思わぬところで、相手を不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。
言葉以外の会話
ここまで考えると外国人とのコミュニケーションの難易度が高くなってしまいますが、よくよく考えるとコミュニケーションとは言葉だけではありません。そうです、英語が分からなくても相手の思っていることや感じていること、伝えたいことが何となく分かれば、英語力が多少低くても、会話は成り立つと言えるのです。
メラビアンの法則によればコミュニケーションの比率は、55% が視覚情報(見た目・表情・視線・しぐさ・ジェスチャー等)、38% が 聴覚情報(声のトーン・速さ・大きさ・口調等)、7% が言語情報(言葉そのものの意味・話の内容等)、と言われています。
相手の思いを察することが一番!
相手の思いを察すると言っても、いきなり外国人の思いを察することは難しいでしょう。それゆえ、まずは日本人との会話で意識してみましょう。意識するポイントは、「会話の中に出てくる言葉をあくまでもコミュニケーションのヒント」と思うことです。
言葉はヒントにすぎない
会話の中で出てきた言葉だけではなく、表情や声のトーン、また、出てきた単語の共通点を探したり、相手の考えていそうなことを単語と重ねることで、言葉や意味が分からなくても推測することができます。
この方法に慣れてくると、口下手な方と話すときであってもスムーズに会話ができるようになります。実践されたご自身もすぐに自分の変化に気づかれることでしょう。
グッと距離を縮める方法
「相手の思いを察すること」はどんな場合であっても、人と人とのコミュニケーションを取るうえでとても大切な心がけだと思います。だからこそ、日ごろの察する意識を持っておくだけで、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語、中国語など、どんな言葉を話す人とも、コミュニケーションが取れるようになるのだと思います。
相手の母国語で「ありがとう」
「相手の思いを察すること」でコミュニケーションが取れるようになるのですが、さらにグッと距離を近づける方法を紹介します。それは、感謝の気持ちを伝える時、日本語である「ありがとう」と、相手の母国語での「ありがとう」を2つ言うことです。例えば、相手がフランス人だとしたら、「ありがとう、メルシー!」。これだけで、相手への伝わり方は一味も二味も違うものになりますよ。ぜひ、お試しください!
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