オーストラリアに約5年住んでいます。日本では、風邪をひいたら近くの内科に行き、目の調子が悪くなれば眼科に行き、そこですべての処置をしてもらえますよね。日本の医療システムはなんて素晴らしいんだろうと感じます。私はオーストラリアという国は好きですが、オーストラリアの医療システムについては改善すべき点がたくさんあると思っています。ここではその点についてお話させていただきます。
GPという場所
最初にGPに行く!?
オーストラリアでは、例えば日本のように体調不良を感じた場合、内科に行くと言う事はありません。まず、GP、つまりジェネラル・プラクティショナーという開業医の場所に行きます。ここの医者は総合的な医療知識があり、薬の処方もしてくれるのです。
もしもこの医者が「ここでは診られない」と判断した場合のみ、他の病院や専門医のいる科への紹介状を書いてもらえるのです。突然大きな病院に行っても、受け付けてはもらえません。極端な話、妊娠したとしても最初に産婦人科に行くわけでは無いのです。まずGPに行って婦人会の紹介状を出してもらわなければいけません。
救急の場合
それならば救急の場合はどうなるのでしょうか。日本の救急は本当に重症患者や救急を要する人が多いですよね。しかし、なぜだかわかりませんが、オーストラリアの救急は救急患者に見えない人がたくさんいます。なぜ彼らが救急なのかよくわかりません。
そのため、救急に行っても2、3時間またされることが少なくありません。もちろん、受付も患者の重症度によって順番を変えているとは思うのですが…
オーストラリアの公立病院
私の経験
日本でも救急で訪れることができる病院があるように、オーストラリアにも公立と私立の病院ともに救急があります。しかし、私の経験では公立病院の救急はおすすめできません。
私は以前、重い角膜炎になったことがあります。日曜日だったためにGPはやっておらず、公立病院の救急に行きました。しかし専門医がいないと言うことで抗生剤の目薬を処方してくれただけで、「明日opticalに行ってください」と言われたのです。私の目は結構痛かったのですが、専門医がいないと言われてしまえばどうしようもありません。
言われるままに行ってみたものの…
私の住んでいる地域は田舎でしたから、目の検査のためには皆opticalに行くようでした。これは病院ではなく、メガネを作るときに視力検査をしたり、眼圧を測ったりする場所です。当然ながら、メガネやサングラスなどが売られていることもたくさんあります。日本で言うメガネ屋さんと言うべきでしょうか。
日本のメガネ屋さんは視力を測ってくれますよね。この時は病院を信じるほかなかったため、指示されるがままに最寄りのopticalに行きました。ここは病院ではなく、メガネを買いたい人がふらっと立ち寄るような場所ですから当然予約は必要ありません。しかし、お店の人から「うちでは診られない、あなたの目は重症だから病院の救急に行ってください」と言われたのです。
新たな紹介状
目が痛いのを我慢して来たのに、昨日救急に行ってここに来るように言われたから来たのに、何もふざけたことを言っているんだ、と内心怒り心頭でしたが、やはり目が痛くて視界も悪いため、前日に行った救急に戻り、状況を説明しました。すると今度は違う医者から「ここでは処置ができないから、都市の大きな病院に行ってください。今から紹介状を書きます」と言われたのです!
翌日、少し離れた大きな都市の私立病院に紹介状を持っていきました。検診の結果、すぐに日本に帰って処置をするか入院するかという選択肢が突き付けられたのです。それほどまでに重大な角膜炎を引き起こしていたのです。結局、24時間体制で看護師から目薬の処置を受け、無事に完治しました。しかし、最初に病院に行った時に医者が紹介状を書いてくれていれば、病院やopticalを行ったり来たりしなくて済んだのです。病院に初めて行った日から2日経って初めて処置を受けることができたのです。
オーストラリアの科
婦人科での対応
以前、妊娠検査訳で陽性反応が出た時、私は病院に行く予定だった数日前に出血してしまい、またもや救急に行くことになりました。私の住んでいる地域は田舎で、公立病院はそこしかありませんでしたから、前回散々な思いをしたとしても選択肢はありませんでした。
しかし、救急なのに血液検査、尿検査、体温測定、問診をされただけでした。救急からエコーと婦人科に予約を取ってもらいましたが、エコーは翌日、婦人へは翌々日の予約になってしまったのです
なんて二度手間の検査!
妊娠し、出血をしているのに婦人科に行けるのは2日後なんて、おかしいと思いませんか?日本であれば婦人科に予約なしで行っても問題はありませんし、そこでエコーをしてもらうことができ、診断も聞くことができますよね。ここではエコーをする科まで分かれていたのです。
エコーの先生に子宮の状態を聞きましたが、「専門家から聞いてください」と言われるばかりで、何も答えてくれませんでした。エコーをして婦人科で結果を聞くなんてなんて二度手間なのでしょうか。結果、流産してしまいましたが、オーストラリアでも日本のように専門医にすぐ話を聞けたら良いのに、と思います。ちなみに、その時の流産は出血した時点で覚悟していたため、病院側の対応の遅さが原因ではないと思っています。
私立病院がオススメ
私の住んでいるところが田舎ですから、全体的に不便なだけかもしれません。しかし、都市に行った時に日本人のGPの医者と話をして教えてもらった内容が、オーストラリアに一時的に滞在しているのであれば、私立病院の専門医、または救急に行くべきだということでした。なぜなら、一時滞在者の場合は海外保険等に加入することが多いのです。その際、まずは全額自費で支払うか、保険会社が支払ってくれるかどちらかですよね。どちらにせよ金額はほとんど変わりません。それならば、私立病院の方が設備や質が良いのです。
オーストラリア人はメディケアと言う健康保険カードを持っており、公立病院であれば無料で診察を受けることができます。ですから、オーストラリア人では公立病院と市立病院を比べた場合、医療費の差というものが出てきます。しかし、一時滞在者で個人的に保険に入っているのであれば、私立病院がお勧めです。