CNNニュースによると、カナダ国歌「オー・カナダ」の一部の歌詞が性別を強調するものだとして変更を求める法案が上院を通過したそうです。
カナダの国歌カナダ国歌「オー・カナダ」は1880年にケベック建国記念日の式典向けにケベック州の音楽家が作曲したものです。YouTubeでも聴くことができますが、国歌とは思えないほどキャッチーな感じで洋楽のカントリーミュージックのような雰囲気を持ったおしゃれな国歌です。
カナダはかつてイギリスとフランスが植民地争いを繰り広げていた地なので、未だにフランス語圏と英語圏の言語的名残が色濃く残っています。歌詞は基本的には英語ですが、場合によっては一節ずつ英語とフランス語で交互に歌うケースも見られています。
そんなカナダ国歌「オー・カナダ」で今回変更されようとしているのは「True patriot love in all thy sons command」(汝の息子全てに流れる真の愛国心)という部分。息子の部分が男子のみで女子のニュアンスがないのです。そのため、これを「in all of us command」(我々の全てに流れる真の愛国心)に変えようというのが今回の提案です。
今までにカナダでは何度か歌詞の変更が議論されてきましたがその度に保守党議員から「恥ずべき反民主主義的行為だ」と非難され変更を断念してきました。歌詞変更の法案が上院を通過するのは今回が初めてだということです。
余談ですが、このカナダ国歌に使われている「thy」という単語は古語英語の「汝(あなた)」という意味で同じ古語英語の「thee」(汝)と同じようによく国家や愛国歌で使われていますね。ホルストが作曲したイギリスの愛国歌「我は汝に誓う、我が祖国よ」も英語では「I vow to thee, my country」です。国歌や愛国歌で「汝(あなた)」というのは一般的に祖国のことを指しています。
この法案は実現に向かうのでしょうか?動向が気になりますね。
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