「鬼滅の刃」を英語で鑑賞!英語の勉強には向かないけれど…?

鬼滅の刃が日本で大ブームとなり、世界的にも広がりつつあります。最近、アメリカのNetflixでも鬼滅の刃が見られるようになり、英語でも広く楽しまれるようになりました。

私も英語で鬼滅の刃をみましたが、うまく訳されていたのではないかと思います。確かに日本のアニメに対する英語訳には様々な批判が出ていますが、ここでは、鬼滅の刃を英語で見て感じたことをお話ししたいと思います。なお、私は英語の字幕を見ただけで、英語の音声は聞いていませんので、英語の音声では若干違いがあるかもしれません。

1.兄弟姉妹を表す表現

 英語には「お兄ちゃん」「姉さん」などがない

日本語では、兄や姉のことを「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」などと呼びますよね。これはハングル語や中国語でも同様であり、これは日本や韓国、中国が年上を敬うからこその文化です。しかし、このような表現は英語には存在しません。英語では年上の兄弟姉妹のことも名前で呼びますし、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」などの表現がないのです。

鬼滅の刃では、禰󠄀豆子が炭治郎に「お兄ちゃん」と呼びかけるシーンや胡蝶しのぶが姉であるカナエに「姉さん!」と呼びかけるシーンがありますが、これらは”Big brother!”や”Big sister!”と訳されていました。年上の兄弟姉妹に対して名前呼びをする英語の文化に倣い、”Tanjiro!”や”Kanae!”となっていたわけではないのです。

 兄弟愛を表すのに大切な言葉なのではないか

確かに、これに関しては「もっとしっかりと英語訳をするべき」などと批判もありますが、姉妹愛を表すアニメですから、この表現もアリなのではないかと感じています。確かに、英語の文化に合わせて訳す事は大切かもしれませんが、このストーリーそのものは日本の話であり、ましてや鬼になった妹を人間に戻すために奔走する兄、鬼に殺されてしまった姉の敵を打とうとする妹、などが出てくるわけですから、姉妹であることを表すのはとても大切だと思います。

しかも、「お兄ちゃん」「姉さん」などの言葉があるからこそ彼らが兄弟であることがわかりますが、これらの単語をなくしてしまったら、彼らがそもそも姉妹なのか友人なのか分からなくなります。兄弟であることを示すためにも、これらの表現は敢えて英語圏の文化のように名前呼ぶにするのではなく、わざと”Big brother”や”Big sister”とすることで伝わるものがあるのではないかと思います。

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2.英語の勉強の教材としては使いにくい

 アニメに関心を持つ外国人は多い

このようなアニメを見て日本語に関心を持つ外国人は非常に多いです。今や、「アニメ」「漫画」という言葉は海外でも通じるほど普及しており、鬼滅の刃も”Demon Slayer”として海外でもよく知られています。特に禰󠄀豆子は竹を咥えた独特の風貌であることもあり、海外でも「よく知らないけど見た事ある」という人が増えています。

実際にこのようなアニメから日本語や日本文化に関心を持ち、日本に留学して言語を学ぶ外国人も増えていると言われています。日本人としては嬉しいことですよね。

 英語の勉強には向かないのではないか

その一方で、英語訳されたアニメや漫画を見ることで英語の勉強にならないかと感じる人もいると思います。しかし、確かに何もしないよりは良いかもしれませんが、実際に英語を勉強したいと思うのであれば、少なくとも鬼滅の刃は英語の勉強には向かないように感じました。

とにかく登場人物の名前や場所の名前が独特なので、英語の勉強をしようとしても固有名詞に目がいってしまい、英語に集中するのが難しいように感じます。また、あくまでも子供向けのアニメなので簡単な英語に直されている傾向があり、例えば柱がお館様にきちんとした敬語で話をするところも、英語ではわかりやすい英語に直されています。そのため、日本語と同レベルの英語を学ぶには無理があると感じました。

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日本文化だからこそ日本らしい英語訳で良い

確かにこのようなアニメや漫画は海外でもよく知られていますが、英語訳が正しくないなどとよく批判をされますよね。しかし、これらのアニメや漫画は日本のものなんだから、日本語っぽい英語訳で良いのではないのかと思います。兄弟姉妹の「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」といった言い方も、年上を敬うが故の言い方ですから、これらを名前呼びに変えてしまったらイメージが変わってしまいます。

日本文化だからこそ、そのアニメや漫画を見た外国人が「日本語でわかるようになりたい」と思うようになるのです。決して英語を勉強するための教材では無いのですから、日本文化が反映された英語訳で良いのではないかと感じています。

   

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