今現在、タイでは大量の不法滞在者、何度も続けて繰り返しタイに入国する者を排除し、さらに外国人のビジネスにさらなるハードルをつけようと、国をあげて大掛かりな対策を練っています。しかし、この法律やルールは、タイで違法な行為をする外国人や、滞在期間を超えた滞在者などを取り締まるばかりではなく、ルールに沿ってタイに滞在する者にも大きな障害となっている事項があり、タイでの滞在が簡単なものではなくなってきています。理解したくても、できない、問題の事項をいくつか紹介します。
①どこにいるか常にレポートせよ
滞在先の届け出
これは、かなり大きく問題視されて、政府からも見直しがかかったくらいですが、2019年夏に、外国人がどこにいるのかタイ政府が把握するために、外国人が滞在するホテルは必ず滞在者の申し出をしなければいけない、と決めたものです。友人の家に泊まるのであれば、この友人が滞在者の申し出をしなければならず、この法律は一般のタイ人にも負担をかけることになったのです。
タイ国内の移動も含まれる
しかも、タイ国内だけでなく、例えば、サムイ島に普段は住んでいるけど、1週間だけバンコクに遊びに行く、といった場合でも、エリアの異なるタイに移動するということで届け出をしなければなりません。
タイ国外へ出て、戻る際ももちろん届け出
また、駐在員の多くはタイ国外に多く出張する機会がありますが、国外へ行くたびに事前に届け出なければ罰金だというのです。この法律が執行されてから、すでに数人の駐在員が届け出をしなかったために、空港税関で止められて罰金の支払いを求められたそうです。その一方で、こんな法律はタイの恥だといって、政府内からもすぐに変更するように求める声を多く、これからタイ全土に施行されるかどうかは未だ不明です。
②公共のWIFIに政府公認の機械を追加せよ
政府公認の機械設置
これも2019年夏頃から発表されて、ビジネスオーナー間で話題の一つとなっているおかしな法律の一つです。タイとはいえど、すでにWIFIはどこにでもあるものとなりました。パンガン島で経営する私のイタリアンレストランでも、もちろんWIFIを完備しています。今の時代WIFIなしではお客さんが遠のいてしまうためです。そんなWIFIに目を付けたタイ政府ですが、私たちが個人的に購入、使用しているルーターに政府が売り出す機械をつけてほしいというもの。その機械が何の役割を果たすかというと、お客がWIFIに繋げると、その機械が作動して、どんなサイトにアクセスしたのか情報を集められるというのです。
意味のないものへ投資
プライバシーの侵害もいいところ。それに、私のレストランに来たお客さんがどんなサイトにアクセスしたかの情報を集めて、結果何をしたいのか。。。本当に謎の法律。外国人は、タイのどんなところに興味があるのか、今更調べたい?これだけ長い間観光事業をやって、今になってこんなやり方で本当に役に立つ情報が収集できるのか?しかも、政府が配るのでもなく、この機械は各ビジネスオーナーが購入しなければならず、何のメリットもなく意味のないものにお金をかけて、さらにその機械を期限以内に設置しないと罰金だと言います。もう、お手上げです。
③イミグレーションで、ルールにはない脅しをかけてくる
変わるタイ
不法滞在者は昔から相変わらずいるとして、何度も続けて出入国しタイに何年も滞在しようとする外国人は後を絶ちません。その流れにストップをかけようと、イミグレーションは毎年のように新しいルールを発表しては、滞在者にとってより厳しい法律となっています。例えば、私の友人で5年間タイに住んでいて、ビジネスビザなしで、観光者として滞在、仕事をし続け、これまで問題なしだったところ、今年からビジネスビザを申請したのです。それほどこの数年でタイの外国人滞在状況が変化しており、なんちゃってタイ滞在はできなくなっています。
外国人ならと、嫌がらせ
そんな中、厳しいと言われるマレーシアとタイの国境のイミグレーションでは、法律に従った対応ではなく、外国人に対する嫌がらせとも言える対応をとっています。問題なく全ての書類を揃えてイミグレーションに行ったら、そこにいた外国人全員が一か所に集められて、これまで本当に一度もタイで不法に仕事をしていないか?、2万バーツ所持しているか?(本来は観光客しか求められないのに、ビジネスビザ所持者にも嫌がらせのように準備させる)、などの尋問を始めるほど。全く罪のない外国人でも、入国の際にこんな対応をされたら、タイがどんなおかしな国と思うでしょうか。
タイ政府はすぐに対応すべき
タイはすぐに不条理な法律を変更するべきです。悪者のみを捕まえるシステムを作り、外国人全員をひっくるめて悪者にするような複雑な法律は今すぐに辞めないと、外国人が遠のいていくのは簡単に想像できます。
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