週間パリニュース!パリのホームレス事情

パリは、まだまだ寒い日が続いています。それでも、はにかみ屋の太陽が少し顔を覗かせるようになりました。春はそんなに遠くない、という予感がします。日本のお天気はいかがですか?
さて、今日は「セーヌ川沿い歩行者天国廃止?」、「巨額赤字続く仏国鉄」、「パリのホームレス事情」の3本です。

セーヌ川沿いの歩行者天国廃止?

セーヌ川右岸沿いを走る自動車道路が、マイカー族の不平 ・不満を横目に、パリ市長の決案で歩行者天国となり、多くの散歩者や観光客の人気を博したのはつい昨年のこと。ところが、この度この歩行者天国案に待ったがかかったのです。

 政治的要因ありや?

因みに、パリは、片や左翼系仏社会党のパリ市長アンヌ・イダルゴ氏、もう片やパリ県を含むイル・ド・フランス地方議会頭首を務める右翼系共和党のヴァレリー・ぺクレス氏という2人の女性政治家の統治下にあります。どうやら、このお二人の影なる政治的な対立が、今回の歩行者天国案棚上げ決定にまでつながったのでは?という噂ですが・・・?

 さて対立理由は・・・?

主な対立理由は、パリ市当局はあくまでも公害対策を第一優先として、セーヌ川右岸沿いの車シャットアウト作戦をとったのでした。対して地方自治体では、パリの交通渋滞問題を重要課題として取り上げたのです。公害対策もいいが、そうでなくても問題となっていたパリの交通渋滞を鑑みた対策をとるべきとの見解です。
どちらにしても、パリ市側は今回の決定に対して上訴する構えです。
私個人としては、断然環境保護優先ですので、歩行者天国大いに賛成派です。(頑張れパリ市!)

巨大赤字続くSNCF

日本でも、国鉄の大赤字問題がありました。巨額債務に首が回らなくなって、民営化を決断したのは、今からすでに30年も前のこと。全く同じ問題が、フランスにも起こっているのです。
約50億ユーロ近くに上る大赤字の上に、度重なる運行遅延や停止、または整備不行き届きによる事故など、サービス悪化で国民のSNCF(仏国鉄)への不満や不信は後を絶ちません。

 スピネッタ調査白書

これに対し、マクロン新大統領の下、新政府は抜本的な対SNCF赤字問題解決の意向を示しました。すでに、マクロン大統領の大統領選に臨む提案課題の中で、SNCFの赤字問題の解決の必要性が指摘されていました。そこで政府は、エール・フランスの元会長だったジャン・シリル=スピネッタ氏を代表する専門家たちに、現在のSNCFの現状を改めて調査(すでに何回も調査対象となっていた)を依頼したのです。その調査結果がスピネッタ白書です。

 宣戦布告?政府命令

この調査白書の主な改革案は、1. 赤字路線の廃止 2. 国鉄公務員の特別待遇の段階的廃止、3. 半民営化の必要性です。
どれも過去の調査白書に比べて大きな違いがあるわけではありません。そして、どれも国鉄労組を逆なでするものばかりです。すでにCGT (Confédération Générale du Travail 労働総同盟) は、3月22日に無期限ストライキをほのめかしています。
その上、火に油を注ぐように、政府が今回の改革は国会で議論せず、直接 、政府命令(Ordonnancesオルドナンス)として政令化する可能性があると発表したものだから、さあ、大変!!
3月に来仏される予定の日本人の皆さん、フランスのストライキの大嵐を覚悟しておいてください。

パリのホームレス事情

この度パリ市当局は、「パリには約3000人以上のホームレスがいる」と発表しました。この数字は、2月15~16日の夜10時より翌日朝1時までの3時間、パリ市内を隈なく歩いて調査した「連帯の夜 (La nuit de la Solidarité) 」という2000名(内1700名が無償奉仕)の参加者の働きによるものです。

 パリのホームレス?50人

この少し前、1月末に新政府のある若い補佐官が、ラジオ番組(France Inter) で、記者からパリ市内のホームレスの数を質問されたときに、「50人」と答えたことが話題となっていました。後日同補佐官は、この時の回答の言い訳?として「私の回答が完全ではなかったことを非常に悔いています。50人というのは、1日にパリの救急福祉センターに助けを乞うホームレスの人数のことだったのです」と釈明しました。

 実際には5000人以上のホームレス

このことが発端となったかどうかわかりませんが、どちらにしても、パリ市当局では「3000人という数字は、現実よりはるかに下回った統計」とし、実際には5000人以上のホームレスがメトロ、地下パーキング、建物の階段などで寝泊まりしている可能性が高いとしています。というのも、ヴァンセンヌやブローニュの森で野宿しているホームレスなどは今回の調査では数えられていないからです。

 ホームレスになる原因は?

ホームレスになる原因は、様々ですが、最も多い理由は家賃の滞納が原因で家やアパートから追い出されるケースです。失業率の高いフランスでは、離婚や別居などであっという間にどん底の生活に落ち込んでしまうケースが多いようです。また、2010-12年にかけてアラブ世界で発生した「アラブの春革命」以降、これらの国々から移民として渡ってきた不法入国者もパリのホームレス人口に影響している可能性があり得ます。

フランスでは、ホームレスの公式な人口調査は、国立統計経済研究所(INSEE)の2012年の数字がごく最近のものですが、すでにその時に14万3000人のホームレスが記録されています。