いつの時代でも、外国語を話せるというのは非常に魅力的です。それに、1つでもいいので、母国語以外の言葉を話せるというのは、グローバル化した現代ではある意味で必須条件でもあります。そういう意味で、何が何でも外国語を習得したい !という人のために、今回は、日本にいた頃の私自身のフランス語の勉強法(というよりフランス語との付き合い方?)を紹介します。
英語以外の言語を求めて
英語に対する敵対心?
当時日本では、外国文化と言えばアメリカ文化がはびこって?いて、英語が充満していました。ベースボール、コカ・コーラ、マクドナルド・・・とにかく日本中にアメリカから輸入された言葉や文化が日常茶飯事のごとく日本の生活に浸みこんでいた時代でもあります。(今でもそうでしょうけど・・・) どうもアングロサクソン系が好きではなかった私は、無意識に英語を避けていたような気がします。
フランスに夢中になる
そうした中、私がフランス語を習得したいと思ったきっかけは、何よりもまず、英語を話さない国、フランスに興味を持ったことでした。それからというもの、私の生活はすべてフランスで始まり、フランスで終わるという毎日でした。当時上映されていたフランス映画はすべて片っぱしから見て回りましたし、部屋の壁には、フランス人俳優のポスターやパリのトゥール・エフェルがところ狭しと広がっていました。朝の「おはよう!」も「ボンジュール!」に変わり、「さようなら」も「オルヴォワール」になっていたのです。今から思い出しても恥ずかしい限りですが、大学で知り合ったアメリカ人にもそんな具合にフランス語で話しかけたりしたので、変な目で見られたものです。
私の(主観的)フランス語習得法
まずは文法の習得
さて、どの国の言語でも言葉の規則、つまり「文法」があるものです。とりわけ、フランス語の文法はなかなか手強い相手です。英語にはない女性名詞、男性名詞があったり、動詞の活用も並大抵ではありません。また、発音もリエゾンなるものがあります。例えば、食事を始める合図に「Bon appétit ボナペティ たくさん召し上がって」がありますが、これなどもリエゾンしている良い例です。「ボン・アペティ」とは言わず、「ボナペティ」となるわけです。
フランス語文法と仲良くなれる参考書「ベスシュレル」
フランス語を習い始める方なら、知る人ぞ知る「BESCHERELLE ベスシュレル」。大げさに言えば、フランス語の動詞活用のバイブルのような本です。B5判ほどのほんの小さな赤い表紙の本で、私は当時 (今でも!)本当にお世話になりました。動詞の活用を確認するために常時持ち歩いていたのです。この本の使いやすさは、非常に難関とされるフランス語の動詞の活用規則を簡潔に解明してくれることです。
良質の仏和辞典を持つ
また、当たり前といえば当たり前の話しですが、外国語を習うには辞書が必要です。但し、何でも良いというのではなく、非常にこだわってください。私のお勧めは、白水社と大修館書店のものです。
レジオン・ドヌール勲章を受けた白水社
前者は、これまた知る人ぞ知る日仏語に多大な貢献をしている出版社、白水社です。同社はすでに1921年、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を贈られているほど、フランス語では日本最高の量と質を誇る出版社です。(ウィキペディア抜粋)
白水社仏和辞典 http://www.hakusuisha.co.jp/search/g7831.html
品格ある仏和辞典 大修館書店
後者は、大修館書店出版の「新スタンダード仏和辞典」です。大江健三郎氏が「・・・・「新スタンダード仏和辞典」をひいていると、次第にのめり込むようになる。例文の訳がとてもいい。品格がある。」と褒めたたえたほどです。私も現在でも愛用している辞書の一冊ですが、ひとつだけ欠陥があります。1987年以降改訂されていないため、インターネット用語など現代用語に乏しい?ところが惜しい限りです。
フランス語にどっぷりと浸かる
フランス語で理解する感激!
ある日、フランス映画を見ていて、走る去る汽車の窓から女性が手を振りながら、「さようなら、オルヴォワール Au revoir!」と叫ぶシーンがありました。その意味をフランス語で理解できた時のうれしさは、今でも忘れられません。つまり、フランス会話をわざわざ日本語にしないで 、原語から直接理解できた !という感動だったのです。簡単なフランス語を少しでも覚えていく、普段の生活の何でもないオブジェや言い回しなどを、はてフランス語ではなんていうのかしら?と常に自問してみる、という風に、とにかくフランス語にどっぷりと浸かってみてください。そうすると、次第にフランス語がとても身近かな言葉となってくるはずです。
簡単なフランス語の絵本を読む
皆さんは、「Le Petit Prince星の王子様」や「Le Petit Nicolasプチ・二コラ」 などをご存知ですよね。どちらもフランス語の絵本として有名です。フランス語を「読む」という観点から、このようなフランス語の絵本を読んでみるというのも一案かと思います。かわいい絵がついていてわかりやすく、私は、先の「星の王子様」と「プチ・二コラ」でとてもフランス語の勉強ができました。
NHKのフランス語講座
私が日本にいた頃、NHKの「フランス語テレビ講座」というのがありました。残念にも今ではラジオだけ?のようです。でもそのラジオの「まいにちフランス語(入門編)」を聞いてみたのですが、(インターネットって本当にありがたい!)なかなかどうして初心者でもとてもわかりやすいフランス語講座です。ぜひ、聞いてみてください。
「まいにちフランス語(入門編)」https://www2.nhk.or.jp/gogaku/french/kouza/
メールフレンドを作ってみる
実際にフランス人と知り合いになるために、フランスへ旅行または留学するという方法がありますが、それだけでフランス語が習得できるとは限りません。どちらも相当なお金と時間の投資が必要です。特に留学は、少なくとも6ヶ月から1年はフランスに滞在しないとその効果はありません。そこで、ペンフレンドを作る、現代風に言えば、メールフレンドを作るという手があります。日本にとても関心のあるフランス人は、日本人がフランスに対するよりもずっと多いような気がします。
メールフレンドネットワークサイト http://multilingual-network.com/
仏検で目標を定めてチャレンジ
今では英検と肩を並べるほど標準的なフランス語検定試験、略して仏検。(http://apefdapf.org/) 「仏検4級にチャレンジ!その次は2級!」というように、自分で目標を定めてフランス語に挑戦してみたいなら、仏検はうってつけの方法です。日本にはこのような外国語を応援する機関があるのでとても便利。どんどん利用しましょう。
はまり込み易いフランス語
いかがでしたか?私自身の主観だらけのフランス語勉強法でした。
外国語を習得するには、余りにも多種多様の方法があるので、さて具体的にどうすればいいのかお悩みの方も多いと思いますが、どちらにしても、自分のリズムと力にあった習得方法(自分を知る)を見つけることが大切なような気がします。英語嫌いがきっかけで始まった私のフランス語との出会いでしたが、そのおかげで今ではそれで生活していますので、フランス語はどうもはまり込み易い言語のようです。でも、フランス語のもつ独特な魅力と美しさは、今でも私を魅了し続けています。
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