インドネシア人の夫と結婚して10年になります。結婚前に3年間お付き合いしており、インドネシア人についてよく理解しての結婚だったので特に不安はなかったのですが、結婚してみるとやはり当初はびっくりすることや戸惑うことがたくさんありました。日本人同士でもそうなのに、国際結婚となればなおさらですね。この記事では、インドネシア人と結婚後に感じたことや、はじめてわかったことなどについての私の経験を語らせていただきます。
インドネシア人と結婚してよかった点
とにかく優しい
子供の面倒を率先してみてくれたり、遊びに連れ出してくれたり、私が仕事で忙しい時には家事をしてくれたりと、色々と助かっています。休日に出かけても、若い家族連れを大勢見かけます。ベビーカーを押したり、抱っこひもをつけてたりと、インドネシアの男性は休日も家族優先でイクメンの人が多いです。
ただ、これは若い世代に限るようです。夫の父などちょっと年輩の世代は、子供のお風呂もオムツも世話したこともなく、家事も何もできない人が多いようなので、同じインドネシア人でも、世代によって家事や子育てへの参加の仕方は異なるようですね。
夜の付き合いがない
イスラム教徒はお酒を飲まないので、仕事帰りの飲み会などがありません。4時、5時には既に帰宅なんて言うことはザラです。なので、夫の帰りが遅い!などというストレスとは無縁です。夫の帰宅後に、一緒に食事に出かけるなんていうこともできます。
家族を大事にする
インドネシア人は自分の両親と同じように、妻の両親のことも大事にします。夫は日本語が話せないので私の両親とはあまり言葉が通じないのですが、それでも大事にしてくれる気持ちは伝わってくるので両親も感謝いています。
苦労した点
濃密な親戚づきあい
インドネシア人にとって、親戚づきあいはとても重要です。そもそも、「親戚」の範囲が日本に比べると唖然とするほど広いのです。血のつながりがある人はもちろんですが、例えば、「夫の母の実家の近所に昔住んでいたおじさん」も親戚の扱いで、断食明け大祭の際は毎年ご挨拶に行かなければならなかったり、「夫の妹の旦那さんの妹の旦那さんのお兄さん」の就職の世話を頼まれたり、「夫の父の従兄弟の旦那さん」が突然来て3日ほど泊まっていったり、お金を貸してくれといわれたり…親戚の数が多すぎて、顔と名前を一致させることは不可能です。しかも、夫に「あの人は誰だっけ?」と聞くと、「わからないけどとにかく親戚」という返事が返ってきたりするのもまた驚きです。それらの親戚とのおつきあいにかなりの時間や労力を必要とするのが最初はやはりきつかったです。
更に深い義両親との関係
親戚との関係がそんな調子なので、夫の両親との距離感はさらに近いものとなります。インドネシア人にとって両親は絶対なので、いろいろなことに口出しをしてくるし、1ヶ月ほど泊まりに来られても嫁は文句も言えません。出産の際に分娩室に姑と舅が揃って入ってきた時はさすがに度肝を抜かれました。その後も授乳中だろうがノックすることなく部屋に入ってくる姑に、最初はかなり困惑していたのですが、夫に「結婚した時点で実の娘のように思われてるんだからしょうがないよ」と言われ、諦めました。とにかく義両親との距離がいろいろと近いのですが、夫が週に一度電話してくれているので、私は特になにもすることはなく助かっています。それにしても、うちの夫にしても他のインドネシア人男性にしても、本当にマメに両親に電話してて、感心します。
初めて知ったこと
洗車大好き
インドネシア人男性は、日本人からみると異常に感じるくらい、洗車が大好きです。毎日洗う人も珍しくありません。子供をお風呂に入れるよりも熱心に車を磨いている夫に嫌味を言ったことも1度や2度ではありません。確かにインドネシアはまだ舗装されていない道も多く空気が常にホコリっぽいので、ちょっと走っただけで日本では考えられないくらい車が汚れます。なので、日本人的な思考では、「どうせすぐ汚れるんだから、そんなに毎日洗わなくても…」という気持ちになりますが、インドネシア人にとっては、汚い車で走るのは恥ずかしいそうなのです。靴下は毎日替えないくせに、まったく不可解な話です。
アイロン命
インドネシアでは、すべての洗濯物にアイロンをピシィッとかけます。衣類、下着、タオル、ジーンズなどすべてです。知人の家のお手伝いさんが、水着にまでアイロンをかけているのを見かけた時はさすがにびっくりしました。インドネシアでは、夫がシワっぽい服を着て居ようものなら、一気に妻失格の烙印を押されるといっても過言ではありません。Tシャツやジーンズは洗いざらしが気持ちよくていいじゃないかぁ…とは思うのですが、妻失格や母失格と思われるのは悔しいので、今日もせっせと汗だくになりながらアイロンをかけています。
熱々の料理が苦手
炊き立てのご飯や揚げたての揚げ物は、日本人にとっては食欲をそそられるものですが、インドネシア人にとっては熱すぎて食べられないから冷めるまで待つ食べ物になります。一番おいしいタイミングでご飯を出してあげたい、と当初は頑張っていた私ですが、最近はどうでもよくなり、まとめて料理したものを出しています。
また、辛い物が苦手な子供たちに合わせて、うちで作る料理は唐辛子不使用なのですが、辛党の夫には物足りないらしく、食べる前に味見もせずにドバドバとチリパウダーを振りかけているのをみると、家庭内で味の好みが統一されてないのは難しいなあ、としみじみ思います。
インドネシア人と結婚する予定がある人には少しでも参考になれば、また特にその予定のない人にも「へぇ、インドネシア人との結婚生活ってこういう感じなのか~。」と少しでも興味を持っていただけるとうれしく思います。
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