タイに住んで約3年。タイはバンコク、プーケット、パタヤ、サムイ島など観光地でもあり、また多くの駐在員が滞在していることで、欧米人、日本人など世界中の様々な国籍の人々と共に暮らすことになります。私は現在パンガン島でLa Velaというイタリアンレストラン経営をしており、隣はロシア人、後ろのお家はアメリカ人、少し先にはタイ人とフランス人のカップルというご近所さんたちです。こういうインターナショナルの環境の中ではタイ語ではなく、英語が必要になります。でも、タイ人と英語を話していると、気づかぬうちにタイ語のような英語になっているんですね。
タイ語はこんな言語
基本的には簡単
タイ人と話していると、すごく言葉のシンプルさに気づかされます。タイ語には、過去形や未来系が存在しないため、状況によらず動詞は基本的に同じで、昨日であれば昨日、明日であれば明日という言葉を付け加えるわけです。しかも、主語をつけなくても意味が通じることが多いので、動詞だけで文章が完成してしまうほどです。
アクセントが難しい
文法が簡単な分、難しいのはアクセント。同じ単語でも5つのアクセント、5つの意味があることになり、どこにアクセントをもってくるかで、全く違う言葉になってしまうのです。例えば、マーというのは、異なるアクセントでも、犬という意味でもあり、来るという意味でもあるので、マーマーというと、犬が来る(来た)、となります。私は3年経っても、なかなか慣れないのがこのアクセントで、自分ではちゃんと話せているつもりでも、タイ人からしたら全然理解できないことがよくあります。
‘’Can’’ できる
シンプルが一番
タイ語英語の代表的なフレーズは、やはりこれでしょう。タイ人に英語で何かを聞いたら、必ずと言っていいほど、このCanまたはCannotで返答がくるでしょう。例えば、フルーツシェイクを買ったときに、Can I takeaway? テイクアウトできますか?と聞くとすると、正しい英語の返答は、Yes, Of course、またはSure、Yes, you can.などが一般的でしょう。タイ語英語だと、返答は、シンプルに、Can、の一言。タイに来たばかりのころは、違和感とおもしろさでいっぱいだったのですが、今では、英語を話そうとすると、タイ語英語がついでてきて、タイ人以外と話すときもCanが頭から離れなくなるのです。なぜタイ人はCanという返答をするかというと、タイ語でOK、 you can do、 of courseなどの言葉を表そうと思ったら、一言でDaiとなります。なんでもかんでもDai。ママ、このバイク使ってもいい?→Dai。パパ、この機械動く?→Dai。簡単ですよね。観光で少し滞在する方でも、よく耳をすまして聞けば必ず、Daiの一言を聞き取れるに違いありません。
ちゃんとした英語はキープしたい
もちろん、できない、という時も同じ。主語なし、述語なしで、シンプルにCannot。タイ語で、Mai Dai、ダイの前にマイをつけて、マイダイとなります。意外とYesかNoかわかりやすいので、いいのかもしれませんが、それにしても、タイに住む以前までは英語をきちんと話せていたのに、タイ語に触れてからは英語がおかしくなって、自分もタイ人のように話していることに気が付いて、ビジネスで使うとなると意外とやっかいになります。
‘’My friend you’’ あなたの友達
混乱するタイ語英語
これはタイに滞在して、ちょっと後にわかったのですが、英語のいまいちできないタイ人で、でも英語をなんとかしゃべりたいと言う人がよく間違えているケースです。最初、My friend youと言われたときに、戸惑い私が考えたのは、たぶんタイ人の友達がいて、その友達と私が何かするのか?と思いました。しかし、タイ人が本当に言いたかったのは、タイ人の友達ではなく、私の友達のことだったのです。多くのタイ人は、My friend私の友達という言葉を、友達、と理解しており、あなたの、を付け加えたくて、後からYouが加わります。
とにかく単純、省く
なぜこんな英語になってしまうかと言うと、タイ語で、あなたの友達は、プアンクン、つまり、友達あなた、という順序になります。あなた「の」のを表現しても良いですが、シンプルなタイは「の」は省いても問題ありません。これでなぜ、My friend youになったかわかりましたよね。タイ語をちゃんと勉強してから、よくタイ人の英語というものを理解できるようになりました。相手の文化、言語を学ぶことで、色々な「なぜ」が解き明かされて、毎日勉強になります。
タイにどっぷり浸かる
タイに来て、完全に英語のスキルが落ちてしまったのは、ちょっと残念ですが、その代わりに、タイのあれこれを知れることで、現在の生活がより快適になっていると思うと、タイでの滞在は大きな意味のある人生の一部だなと思っています。
コメントを残す