アメリカのデューク大学海洋生物学者のカイル・バン・ホータン博士の研究によると、ウミガメは獲物を投げたり叩いたりする動作を行なっているそうです。今回この結果を導き出したアオウミガメ・タイマイ・アカウミガメの3種類を対象に行った研究結果をイギリスTelegraph誌が報じました。
ウミガメは熱帯・亜熱帯に主に生息しています。ウミガメはもともと爬虫類で陸上で暮らしていましたが現在の研究では上下の甲羅を持つ現生種から見てその後一度海に戻ったと考えられています。しかしその後ガラパゴスゾウガメなど一部のウミガメが陸に再び戻ります。それでも海で暮らし続けた種が現在のウミガメとなっているのですね。
博士はポリネシア・モーレア島で対象のウミカメの様子を観察し撮影。それらを細かく解析し、ウミガメのヒレがどのように活用されているのかを調べました。その結果驚きの事実が分かります。なんとウミガメたちは獲物に空手チョップをしたり、抱きかかえたり、投げたり叩いたりと実に8種類以上もの動作をヒレで行なっていたのです。きわめつけは食後に指まで舐めていたんだとか。ウミガメの脳は非常に小さく本能的な動作しか行わないと考えられていましたが、この度あまりに多種多様にヒレを使いこなし、人間のような仕草まで見せたウミガメに研究者からも驚きの声が上がっています。
カイル・バン・ホータン博士はこの研究結果を論文にまとめ学術誌「PeerJ」に発表。世界中の注目の的となりました。
また、今回のウミガメの意外な進化は地球外生命体の予測に大いに参考になるという研究者もいます。一部の研究者の間では地球外生命体は海の中にいるのでは?という議論が持ち上がっているのです。ウミガメの進化は新たな生命の事実を引き出してくれるのでしょうか?
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