日本の郵便制度は、ズバリ世界一だと思います。日本国内では当たり前のように思われているかもしれませんが、日本のようにほぼ確実に郵便物が届く国は、他には滅多にありません。ここではなぜ日本の郵便制度が世界一と言われるのか、その理由について紹介します。
丁寧・親切でしっかり届く
普通郵便でも紛失が滅多にない
日本には、普通郵便のみならず書留等、様々な種類の郵便があります。例えば個人情報を送る場合は書留、現金を送る場合は現金書留を利用するなど、郵便の種類には様々なものがあります。しかし、それなれば普通郵便は危険なのでしょうか?違いますよね。普通郵便が紛失するということ自体、滅多にありません。
私は以前、在日本国ベルギー大使館より重要な書類を郵便で受け取ったことがあります。なんと、普通郵便で送られてきました。それでもまず絶対に届くのだから驚きです。
傷がついたものは修復されて届く
私たちは結婚する前、国を超えた遠距離恋愛をしていました。私は日本、主人はアメリカに住んでいました。遠距離恋愛をしていた頃はよく手紙のやりとりをしていましたが、一度驚くことがありました。
海外から日本に送られてきた郵便物は、まず川崎市の郵便局に届けられます。そこから日本各地に発送されます。一度、主人から送られた絵はがきが日本に届くまでに濡れてしまったということがありました。すると、川崎市の郵便局はその絵はがきを乾かし、ビニール袋に入れた上で「濡れていたため、乾かしました。申し訳ありませんでした」という旨の説明書をつけた上で郵送してくれたのです。
とても親切!
こんな国は滅多にありません。そもそも、絵はがきが濡れていようが、箱が壊れていようが、それは郵便局のせいではないと考える国家の方が多数を占めます。わざわざ修復を試みてくれる郵便局は、非常に素晴らしいといえます。
配達はきっちりしっかり正確
本人に届く
かつて、日本でも受取人の署名が必要な郵便物の場合、本人が不在の場合は近所に預ける、という仕組みが導入されていました。しかし、他人に預けてしまうことによりトラブルが相次ぎ、今では郵便物は必ず本人に届けるよう、決められています。
これも世界的には珍しい動きです。例えばアメリカでは、今でも本人が不在の場合は近所に荷物が預けられてしまうことがあります。その結果、トラブルが起こることもあります。
さらに、郵便配達人が受取人とのやりとりを面倒臭がり、本人が家にいるかいないか確認もせず、不在票だけを郵便ポストに残していってしまうことも少なくないのです。こうなると、本人が家にいたとしても自宅で郵便物を受け取ることができません。本人はその後、郵便局に行って荷物を受け取らなければならないのです。残念ながら、海外ではこのようなことも少なくはありません。
決められた日にちに届く
主人がイギリスに住んでいた時、私はとある書類を送るために日本からEMSを使ったことがあります。EMSというのは世界的に最も信頼の高い国際郵便です。
しかし、EMSがイギリスのアパートに届いた時、平日の昼間だったため主人は仕事で不在でした。不在票がアパートに残されており、主人が郵便局に連絡を取ったところ、「この曜日の何時ごろ、職場に届けに行く」ということで合意がなされたそうです。
海外では時間がかかる
しかし、郵便配達が主人の職場を訪れることはありませんでした。郵便局は大概5時までしかやっていませんから、一般的に仕事をしている人が郵便局を訪れるのは土曜日の午前中になります。こちらは信頼度が高く、日数もかからないEMSを利用して送っているにも関わらず、結局主人の手元にEMSが届いたのは、EMSがイギリスに届いてから4日後、私が郵送してから6日後でした。
私がかつて、アメリカに住む主人の下にEMSを送ったときには、3日で届きました。そのEMSが6日もかかってしまうなんて、イギリスに届くまでは2日しかかからなかったのに、国内で4日もかかっているなんて驚きです。
送料が安い
郵便の種類が多い
日本から海外に郵便物を送る時、送り方には様々な方法があります。例えば世界中で頼りにされるEMSはもちろんのこと、一般的な小包として海外に荷物を送ることはもちろん可能です。
しかし、値段が気になる場合は2キロ以内であれば、小型包装物の航空便というシステムがオススメです。航空便なので、小包と同じような日数で届けることができ、それでいて小包よりも安く送ることができます。また、少し時間がかかっても良いけれど安く済ませたいと思う場合、両国間は航空便として扱われるけれど、日本国内と到着国内では船便として扱われる小型包装物のSAL便というものもあります。私がSAL便を使ったときには、1ヵ月で小包をアメリカに届けることができました。もちろん、2、3ヶ月かかっても良いのであれば、船便もあります。私が船便を使ったときには、1ヵ月強で小包がアメリカに届きました。
このように、日本の郵便制度には郵便物の種類が多いという特徴があります。そのため、送り方次第で値段を安くすることが可能なのです。
海外には郵便物の種類が少ない
言い換えれば、海外の郵便制度には郵便物の種類が少ないという特徴が挙げられます。例えば、私たちがアメリカから日本に小包を送った時、到底キロにも満たないような小包を送るために50ドルほどかかりました。同じ重さの荷物を日本からアメリカに送るならば、例えば航空便の小型包装物なら1,000円もしませんし、SAL便なら600円程度になります。
また、ベルギーから日本に2キロの荷物を送った時、200ユーロから300ユーロかかった記憶があります。これも、同じ重さの荷物を日本からベルギーに送るならば、航空便の小型包装物なら3,000円もしませんし、SAL便ならば2,000円強で充分なのです。海外からの郵便物と、日本からの郵便物には値段にここまでの違いがあります。
日本の郵便は世界一!?
これらが、「日本の郵便制度は世界一」と言われる所以です。日本国内では郵便物が紛失することは滅多にありません。しかし海外では、日本ほど確実に郵便物が届く、という保証はどこにもないのです。
言い換えると、よく小包を海外に送る際に聞かれる「保証を付けますか?」という質問にも、少々疑問が生じます。日本の郵便局であれば、保証をつけたら確かに保証してくれるかもしれません。しかし、郵便物が日本を出て到着国に届いたら、その郵便物は海外の郵便局の管轄下に置かれます。その国の郵便局が、しっかりと保証に応じてくれるかは別問題です。
海外郵便はEMSがおすすめ
海外に大切なものや絶対になくしたくないと思うものを送りたい場合、EMSが最もお勧めです。しかし、EMSは値段も高くなりますので、他の輸送手段を選びたい人もいるでしょう。そんな時は、なくなる可能性をしっかりと踏まえた上で郵送する必要があります。
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