ドイツがヨーロッパの中の日本と呼ばれるのをご存じでしょうか。世界的に経済力のあるこの２か国ですが、なぜ似ていると言われるのでしょうか。ドイツが日本らしいところ、そして逆に日本らしくないところを纏めてみました。
日本らしいところ
１、時間・計画・約束・ルールを守る人が多い
律儀。2か国に共通するといえば、ズバリこの一言でしょう。他のヨーロッパの国では、街中の時計が止まっていたり、電車が時間通りに来なかったり、約束したことを守らなかったり、こんなことは当たり前のこと。でもドイツではちょっと様子が違って、しっかりしているんです。ドイツ人の友人と旅行へ行くと、その国民性がよくわかります。ごはんを一緒に食べると、ちゃんと割り勘とか、ここは俺が払うとか、うやむやにすることなく、お金のこともちゃんとしている。さらに、次はここへ行くためには何時に起きればこの電車に乗れるから、目覚ましをかけよう、とか、日本人には普通すぎることにしか聞こえないかもしれませんが、この日本人にとって普通が通じるのはヨーロッパではドイツしかないと言っても過言ではありません。さらに、ルールを守るといえば、信号が赤で渡る人が圧倒的に少ないというのはよく聞きます。また、私がタイのホテルで宿泊していた際、屋外にあるプールが夜7時で閉まるのですが、夜8時なってもまだ入れる雰囲気だったので、静かに誰にも迷惑をかけないで泳いでいました。するとそこを通りすぎたドイツ人の宿泊客が、プールはすでに閉まりました、とわざわざ言ってきたのです。私は最初無視していたのですが、彼らは私が聞こえていないと思ったのか、何度もリピートしてきたのです。彼らに迷惑は一切かけていないし、何か起きれば私の責任なのに、人に対してもルール順守を注意するほど真面目と言えます。
２、最強パスポート
英国企業が調査する「パスポートパワー」、つまりビザなしで入国できる国数を比較したときに2018年は1位日本、シンガポールで180か国。そして、2位ドイツです。審査の内容は、諸外国への盛んな投資や経済力に加え、平和的であり、信頼性があるかどうかなど。2017年には1位はドイツであったこともあり、日本もドイツも同様に世界から信用された国、という印象があるのです。
日本らしくないところ
ドイツと日本が似ているとは言え、異なるところはたくさんあります。
１、女性は可愛いがベストではない
ドイツでは男女平等の意識が高いため、日本のように弱い可愛い女性がモテるなんてことはありません。目的を持ってしっかり自らの人生を歩いている人が、素晴らしい女性であり、女性らしさ＝かわいらしさ、ではないため、街中を歩いても可愛らしい格好をした女性はとても少ないです。もちろん綺麗な女性はたくさんいますが、フリフリスカートにハイヒールを着た女性がいたとすれば目立つ存在となるでしょう。
２、残業はないといっていい
ドイツも日本も経済大国なのに、ドイツでは労働法が労働者の権利をしっかりを守っているため、サービス残業をする人はほとんどいません。日曜日は閉まるお店がほとんどで、定時以外の時間や週末働くなら給料が何倍にも跳ね上がったり、特別手当がつくのが一般的です。だから、会社も負担を減らすため、社員に残業を求めませんし、それが普通となっているドイツでは時間になるとほとんどの人がすぐにオフィスを出ます。
３、契約がないと絶対に実行しない
日本は契約がなくても、これまでの関係があるから、信頼があるから、仕来りだから、などの理由で契約書を交わす前に仕事に入ることがありますが、ドイツは必ず契約が先、の契約社会です。私がドイツのお客様と一緒にお仕事をしているときも、早く進めないと納期に間に合わないといくら訴えても、必ず契約書にサインを交わしてからでないと誰も何も動きませんでした。
４、マテリアルより環境
現代の日本は、物質主義、利益主義となってしまいましたが、同様に経済力のあるドイツでは、環境を大切にするために包装紙を無くしたり、ペットボトルを返却するとお金が戻ってきたり、家の中の電気が比較的暗かったり、かなり日本とは逆行した環境社会システムが出来上がっています。私はタイ在住ですが、ドイツから友人が遊びに来ると、口を揃えてまず言うのが、なんでこんなにタイはプラスチック袋が多く使い捨てされてるんだ、です。
ドイツと日本は似ているようで違う
最初に述べたように、ヨーロッパの中で日本に似た国を選ぶとするとドイツ、というのは当たっていると思います。しかし、ドイツをよーく見てみると、実は日本と正反対だったりします。イタリアを見れば、男女不平等な感覚は日本と似ているし、フランスを見れば、健康食を好んだり、パリは特に白や黒を基調とした落ち着いた色のファッションが流行っているところが日本と似ていたり、ドイツ以外の国でも日本と似たところは見つけることができます。でも、人の性格的に日本人とドイツ人が似ているという点では、どの他の国にも真似できないところであり注目すべき国なのかもしれません。
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