カナダのホームレスピアニストが死去 その存在が再び注目される

カナダのアルバータ州の路上でピアノを弾く姿が動画にアップされ、一躍有名人となったホームレスがいます。彼の名はライアン・アーカンドさん。彼は素晴らしい音楽の才能を持つピアニストとして多くの人に驚きを与えましたが、今月2日暮らしていた支援シェルターで亡くなりました。その訃報に多くの市民が悲しみ数日経った今でも彼の死に反響が広がっています。

ライアン・アーカンドさんはカナダの先住民ファースト・ネイションの一員でした。ファースト・ネーションとはカナダに住んでいる先住民の中でもイヌイットとメティ以外の民族のこと。カナダ全体ではおよそ4パーセントのファースト・ネーションが暮らしていると言われています。

ファースト・ネーションはいまだに差別の対象でありマジョリティー(カナダの白人民族)とはおよそ17年もの寿命の開きがあります。国連はカナダ政府に対し先住民の社会的権利をきちんと守るように忠告していますが、まだまだ差別が根強いのが現実です。

ライアン・アーカンドさんは4歳のころから暮らし始めた里親の家でピアノを見つけ、ピアノの演奏や作曲を始めます。ホームレスになってからはアルコール依存症や精神疾患と戦いながら支援施設で暮らしていました。

YouTubeのライアン・アーカンドさんが演奏している動画には演奏と彼の才能に感動した人々のコメントが寄せられ、彼の死後も動画へのアクセスは途切れていません。「聴いた瞬間ものすごい悲しい感じがした」「これは素晴らしい才能だ」などと世界中からコメントが寄せられています。

ライアン・アーカンドさんのいとこだという男性は「彼のこれまでの葛藤や悲しみが過去のものになったかと思うと気持ちが楽になる」と語りました。ライアン・アーカンドさんは亡くなってしまいましたが、彼の演奏はこれからも世に残っていくことでしょう。