ベルギー出身の夫と1歳の息子とベルギーで生活しています。ヨーロッパというと社会保障が非常に充実しているように思う人も多いのではないでしょうか。特にドイツは子育てでも有名ですので、隣のベルギーもどれほど発展しているのか、という人から聞かれることも少なくありません。ここでは私が実際にベルギーで生活してみて思う、赤ちゃんを育てるという事について紹介します。
おむつ替えをする場所がほとんどない!?
そもそもおむつ替えをしている人を見たことがない
日本で買い物に行くと、あちこちにおむつ替えをする場所を見かけますよね。ショッピングモールはもちろん、一般的なスーパーでも簡単におむつ替えができるようになっているのではないでしょうか。日本は少子高齢化と言われていますが、それでもおむつ替えをする人を見かける事は少なくありません。しかし、ベルギーでは子供の数は多いですし、あちこちでベビーカーを見かけるにもかかわらず、私はおむつ替えをしている人を見たことがありません。息子の検診に行くと、体重等を図るために赤ちゃんのおむつ替えをする人はたくさんいるのですが、そのような光景をお店などで見たことがないのです。
というのは、おむつというのは「最大8時間大丈夫」などと書かれていることも多いですよね。そのため、どうやら本当に長時間おむつ替えをしないという人も珍しくないそうです。確かに日本は安く高品質のおむつを購入することができますが、ヨーロッパでおむつを購入しようと思うとそれなりにお金がかかります。そのため、節約という意識もあるのかもしれません。
女性用のトイレにしかおむつ替えをする場所がないことも
特に最近では父子家庭やお父さんの育児なども奨励されており、男性用のトイレにおむつ替えをするコーナーが設けられていることも珍しくないと思います。最近SNSで、男性用のトイレにおむつ替えをする場所がないために個室で息子のおむつを替えている男性の姿が話題となりました。日本ならこのような事は無いのではないかとも思います。
しかし、ベルギーのトイレを見てみると女性のトイレにはおむつ替えをする場所があるけれど男性用のトイレにはおむつ替えをする場所がない、という事は珍しくありません。日本以上に女性が子育てをすることが奨励されているのかしら、と驚きます。
粉ミルクやおしゃぶりを使う人が多い
母乳をあげたからない人が多い?だいたい粉ミルク
街中で赤ちゃんやお母さんを見ていると、とにかく粉ミルクを上げるお母さんが多いことに気づきます。例えばレストランなどで食事をしている時、ベビーカーで赤ちゃんが泣き出すとお母さんは当たり前のように粉ミルクを出し、それをお父さんや他の家族に渡すのです。お母さんは話をしたまま赤ちゃんを抱っこすることもなく、お父さんや家族が赤ちゃんを抱っこして粉ミルクをあげる、という姿は決して珍しいものではありません。確かに家族で協力しあって子育てをするという意味では良いのかもしれませんが、赤ちゃんが泣き出してもお母さんは表情一つ変えず、赤ちゃんの方を見ることもなく粉ミルクを他の人に渡すのです。
また、先日友人とショッピングモールに出かけた時、息子のおむつを変えなければならなかったのでベビールームに行きました。そこには多くのお母さんたちが横並びになって赤ちゃんに粉ミルクをあげており、私には少々衝撃的でした。10人以上のお母さんがいたように思いますが、母乳をあげているお母さんは1人しかいなかったように思います。
実際にベルギーではあまり母乳をあげるという感覚がないようです。確かに粉ミルクであればお父さんもあげることができますし、お母さんの負担は減るかもしれません。しかし、日本では母乳が推奨されていますし、WHOでも同様です。日本とは価値観が違うんだなぁと思わざるにはいられません。
おしゃぶりを使う子供が多い!一体何歳まで使うの!?
また、おしゃぶりを咥えている子供がとにかく多いです。うちは息子におしゃぶりを与えていないのですが、おしゃぶりを咥えていない子供はいないのか?と思うほど、スーパーなどに行くとまず子供はおしゃぶりを咥えています。
さらに、おしゃぶりを咥えている子供の年齢層もやたら高いように思います。私は息子におしゃぶりを与えていないのでおしゃぶりは何歳まで使えるのかよく知らないのですが、日本の場合はだいたい2歳ごろまでなのではないでしょうか。しかしベルギーで周りを見てみると、4歳位の子供でも普通におしゃぶりを咥えています。
医療システムは最高!子育てにも安心
息子が胃腸炎にかかって夜中に吐いた!
そんなベルギーの医療システムは本当にすばらしいと思います(正直、数少ない良いところの1つです)。実は先日、息子が胃腸炎にかかり、夜中に吐いてしまったのです。何の前触れもなくいきなり夜中に目を覚まして3回吐いてしまい、いったいどうしたら良いのかと焦りました。
息子がもしも下を向いたままで吐いたら窒息してしまうのではないかという恐怖もありましたし、心配で本当に一睡も出来ませんでした。まだしゃべらない我が子ですから、お腹が痛い、気持ち悪い、などということも言葉で教えてくれるわけではありません。息子は生まれてから病気1つしたことがない子だったため、私たちにも経験がなく、この時は本当に焦りました。
夜中でも医者に電話ができるシステム
すると夫がスマホを持ち、誰かに電話を始めました。ベルギーの医療システムは地上に充実しており、24時間、夜中であっても医者と直接話すことができます。例えば夜中今回のように何か問題が起こった場合、医者に直接電話をして指示を仰ぐことができるのです。話を聞いた上で、医者が救急車を必要とすると判断するのであれば、そこから救急車の手配が始まります。
夫が医者に息子の容体を話したところ、おそらく胃腸炎だろうと言われました。まだ息子はこの時点で下痢をしていたわけではありませんでしたが、医者から直接「こうした方が良い」「こうすれば大丈夫」と指示を受けることができ、とても安心でした。
日本だと、夜中子供に何か起こった場合、心配で救急車を呼んだ結果、医者から「救急車を呼ぶほどでは無い」「なんで救急車を呼んだのか」と叱られた、などという話を聞くこともあります。しかし子供に何かあれば親は不安になりますよね。そのため、夜中でも医者と直接話すことができるという医療システムは本当にありがたいと思いました。
最終的に決めるのは自分たち
私は結婚するまで日本で育ったため、海外にいるとどうしても日本のやり方と比較してしまい、ストレスを溜めてしまうことがあります。しかし、これは日本のやり方の方が良いだろうと思うこともありますが、ベルギーのやり方の方が良いこともあります。
ちなみに、ベルギーは日本ほど授乳やおむつ替えに対してアレルギーがありません。日本の場合は「人前で授乳なんてとんでもない」などと言われることがありますが、こちらではそのような事はありません。確かに授乳をする人自体が少ないようにも思いますが、「母乳は赤ちゃんの食事なんだから、授乳は当たり前でしょう?」といった考えを持っている人がほとんどです。また、おむつ替えをする場所がなければ人目のないところでおむつ替えをしても問題ありません。日本ほど授乳やおむつ替えをする場所が完備されているわけではないけれど、だからこそ全体的に寛容な社会だと思います。
コメントを残す