イギリスの肥満に関する調査 富裕層の子供は痩せ貧困層の子供は太る

イギリス国内で行われた子どもの肥満率と所得に関する調査結果が発表されました。最新の研究によると過去10年間の間に富裕層の子どもは痩せ始め、貧困層の子供は太り始めているそうです。これは富裕層の子どもは生活に余裕があり健康な食事をする精神的・金銭的余裕があることを表しています。一方貧困層の子どもは生活に余裕がないため食の質まで手が回らず、低価格高カロリーのファーストフードなどでお腹を満たしがちであることを表しています。

イギリスの子どもの肥満は深刻な状態となっています。現在イギリスでは10歳と11歳の子どもの半分が肥満となっています。また、大人に至っては人口の3分の2以上がBMI25以上の肥満体です。さらにBMI30以上に至ってはヨーロッパ中で最悪レベル。とある調査ではこのままイギリス人の肥満化が進めば2050年には子どもを含め人口のほとんどが肥満体になるという恐ろしい結果も出ています。

そこでイギリス政府が打ち出した政策が「シュガータックス」。「シュガータックス」とは肥満の原因となる砂糖を含む飲料水に砂糖税をかけるというもの。税率は20パーセントでかなりの議論を巻き起こしましたが、反対派の意見に押され実現とはなりませんでした。

イギリスの子どもの肥満傾向は住んでいる地域の経済状況によって大きく異なりました。所得の低いキャンバーウェル地方では子どもの肥満率は平均より10パーセント増となり、富裕層の集まるダルヴィッチ・ビレッジでは子どもの肥満率は国内最低水準だったそうです。また、貧困層に比べて富裕層はスポーツジムに行く割合も高かったとのこと。所得による生活習慣の違いはイギリス人の健康面にも大きく影響しているようです。

子どもの肥満と所得の関係がはっきりと浮き彫りとなった調査でした。

   

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