留学生は国によってはアルバイトをすることができますが、留学生が所有するビザにはアルバイトに対して規制を設けていることもたくさんあります。例えば、アメリカに留学している学生たちは基本的に1週間あたり20時間しかアルバイトをすることができません。そしてそのアルバイトは学校関連のものでなければならないという規定があります。しかしそのような規制があるからこそ、中には厳しい生活を強いられている学生たちも少なくありません。ここでは、そんな学生たちの生活について紹介します。
大学院生のリアルとは
いつ学位を取得できるかわからない
アメリカで学ぶ留学生たちの中には、奨学金をもらって勉強をしている学生たちも少なくありません。しかし、例えば学部時代に1年間だけ奨学金をもらって留学をする程度なら問題はありませんが、アメリカで学位を取得する目的で留学をしている学生たちは、少なからず金銭的に苦労をしている可能性が高いといえます。
というのは、例えば博士後期課程(以下、博士課程)の学生は博士課程を修了するまでに何年かかるのか、全く見当がつかないということが多いのです。日本でも一昔前は「何年かけてでも良い博士論文を書く」ことが大切だと思われていました。最近では大学院進学者が増えたことにより、「出来る限り3年で博士論文を書く」ことが一般的になりつつありますが、アメリカでは今でも「何年かけてでも良い博士論文を書く」という風潮があります。そのため、例えば社会科学などの場合は10年かけて博士論文を書くという人もいないわけではないのです。
奨学金がもらえる年数は決まっている
その一方で、例えばアメリカに行って博士課程を勉強するという人の場合、多かれ少なかれ最初は奨学金をもらって行くパターンが多いと言われています。特にフルブライト等は世界的にも有名ですが、これらの奨学金は大学院を修了するまでもらえるわけではありません。出身国によって異なりますが、例えば最初の3年間だけ、4年間だけ、という期間限定でサポートしてもらえることが多いのです。例えば、日本国内でも日本学生支援機構から奨学金をもらって大学に通う事は可能ですが、博士課程の場合は最長で3年間、つまり最短で博士号を取得できる年数しかサポートしてもらうことができません(ちなみに日本学生支援機構には留学中の援助はありません)。
そのため、奨学金でサポートしてもらえる間に博士課程を修了できなかった場合、今度はそれ以外の収入源を確保しなければいけないのです。しかし、先ほども述べた通り、アメリカの留学生のビザは1週間に20時間しか仕事をすることを許可していませんので、それだけでは生活していくことができません。また、返済義務がある奨学金も通るとは限りませんし、仮に通ったとしても、今度は借金ばかりが増えていってしまうということも珍しくは無いのです。だからこそ、アメリカで博士号を取得したという人の中には、何百万もの奨学金の返済が残っているという人は少なくありません。
短期間で稼げる仕事に走る学生たち
仕事がない!
奨学金や助成金をもらうことができないから何とか自分でお金を稼ごうと思っても、留学生のビザは大学関連の仕事のみを許可しているため、何とか大学内のアルバイトを探さなければいけません。そしてアメリカの大学はそのような仕事を学部生向けとしていることが多いため、博士課程の学生はなかなか仕事が得られないという現状があります。
さらに、大学内の仕事は最低賃金を下回るような賃金しか出さないということもあり、大学内の仕事を1週間に20時間こなしただけではとてもとても生活できるはずもなく、学費を支払うなんてとんでもない、という状態になってしまうこともあるのです。
性的な業界に走る学生たち
家族から仕送りをしてもらえるような状態ならば問題はありませんが、何とか自分でお金を工面しなければならない、このままでは生活できない、ましてや学業を続けることもできず、勉強を諦めなければならない、となれば今までの学業を無駄にことになってしまう、という状態になった場合、学生たちは生きるために、そして勉強を続けるために短期間でお金を稼げる仕事をしようと考えます。
そのため、最近ではナイトクラブで踊るなど、性的な業界で仕事をする学生たちが増えていると言われています。性的な業界と言っても決して際どい分野ではありません。しかし、特に女子学生にとっては女性という性を使うことにより、比較的簡単にお金を稼ぐことができます。確かにビザの規定には反していますが、大学や政府にバレにくいといった利点があります。
自分の夢を叶えるために
確かに「ビザの規定を破ってアルバイトをするなんて」と白い目で見る人もいるかもしれません。しかし、家族から仕送りをしてもらえるわけではない、自分でお金を工面しなければいけない、という状態になった場合、生きるために、そして今までの学業を無駄にしないために、何よりも自分の夢を叶えるために、このような選択肢を取るしかないという現状があります。(尚、この記事はそのような選択肢を推奨するものではありません!)
今は日本学生支援機構等の奨学金もきちんと返済できない人が増えていると言われており、だからこそ利子がつかない第一種奨学金への申請はなかなか通らないとも言われています。日本を含めどこの国で勉強するにせよ、将来的な計画をきちんと立てた上で奨学金をもらうという事は大切ですが、同時に勉強したいと思う学生たちがしっかりと勉強出来るように、世の中の経済も改善していくと良いですよね。
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