最近は女性も大学院に進学することが多くなり、女性研究者も増えています。その一方で、先日は「2人の子供を連れた女性研究者がDr.という肩書きで航空券を購入したところ、チェックインの際に本当にDr.かどうか質問された」などという報道もありました。このように、研究者と言えば男性というイメージも強く、嫌な思いをする女性研究者も存在すると言われています。
私も大学院に進学し、研究をしていた時期がありました。国会図書館の憲政資料室で驚くべき経験をしたことがありますので、こちらで紹介したいと思います。
アメリカでの研究について
議会図書館での資料収集
女性研究者に限ったことではなく、アメリカ関連の研究をしているならば男女問わず、議会図書館で資料収集をした経験がある人も多いのではないでしょうか。議会図書館は、ニコラス・ケイジが出ている映画、ナショナルトレジャーでもロケ地として使われましたが、世界一大きな図書館だと言われています。
この図書館は誰もが利用可能です。利用カードを作り、荷物を預けて議会図書館の内部に行き、本を探したら司書の人にお願いすれば、それを持ってきてもらえます。自分で本棚に行き、本を探すという事はできません。
ここには女性研究者も多く、実際に本を読んでいる女性の姿もたくさん見かけます。女性だからといって嫌な思いをした事はありませんし、荷物などを預ける時もきちんとした対応をしてもらえました。
公文書館での資料収集
アメリカには公文書館が2つあります。ナショナルモールと言われるワシントンD.C.にある公文書館、そしてメリーランド州のカレッジパークに主に戦後の資料を集めた公文書館があります。ワシントンD.C.にある公文書館には本物の独立宣言書が提示されていることでも有名ですね。こちらには観光で行くという人が多いのではないでしょうか。
私が主に利用したのはメリーランドにある公文書館です。こちらにも女性研究者が多く滞在しており、朝から夕方までずっと研究をしている人もたくさんいます。利用者は男性だけという事はなく、女性研究者が活躍していることもよくわかります。
国会図書館での研究について
憲政資料室に行った時のこと
いちど、国会図書館に行く機会がありました。いとこの付き添いで国会図書館に行ったのですが、特に自分が何かを探したいという事はなかったのです。しかし、せっかく行くならばもしかしたら何か資料が見つかるかもしれないと思い、国会図書館の憲政資料室に行くことにしました。
中に入ると、男性のスタッフがデスクに座っていましたが、そのスタッフに研究について、「この時期のこの資料があるか調べたい」と聞いたところ、「え、君、女の子でしょ?」と言われたのです。まるで憲政資料室に女性が来るべきではないといった感じの発言でした。
実際に資料室の中にいたのは男性ばかりでした。研究者として活躍している人もいましたが女性研究者がおらず、もしかしたらそもそも女性研究者が来ることもないのかもしれません。
オープンリールの使い方について
また、オープンリールで資料を探そうとした時も、まるで私がオープンリールを壊すのではないかという勢いで使い方を説明されました。オープンリールは私の大学でも使ったことがありますし、他の大学の資料室で使ったこともあります。そのため使い方は知っていたのですが、「うちのオープンリールは他のオープンリールとは違うから」と言われ、説明を受けました。
しかも、ただ説明をされただけではなく「これは絶対にこうして」「絶対にこれはやらないで」など、なんだか「君は壊しそうだから」という剣幕で説明されました。オープンリールはどこも似たような使い方をしますし、特に国会図書館のオープンリールが他と違ったという事は無いのですが、女性研究者が国会図書館の大切なオープンリールを使ったことが嫌だったのかもしれません。
まとめ
安直にアメリカと国会図書館のスタッフの対応を比較するつもりはありませんが、やはり日本はまだ女性研究者に対する意識が低いのではないかと思います。女性も社会で活躍する時代になっていますし、社会もそれを望んでいるのですから、もう少し女性研究者が尊重されても良いのではないかと思います。
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